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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|講話|オペラ雜感(8)

■近代文藝之研究|講話|オペラ雜感 (8)
併しながらワグナーでも不調和な所が動もすると出る、例へば「リング」の「ジーグフリート」の中で主人公が龍を斬るときに怪龍が岩の中で物を言ふ邉以下になると、自然以外ではあるが動々もすると自然以下に落ちるため、音樂の魔力を離れゝば同時に感興を覚ますやうな傾があり...

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■近代文藝之研究|講話|オペラ雜感(7)

■近代文藝之研究|講話|オペラ雜感 (7)
ワグナーは寫實的でありながら而も寫實的にならないといふ一種の妙味を解して居ると感じたのであります、能の動作は既に意味の動作であらうと思ひますがオペラの動作は尚未だ十分なる意味を顯すの動作でなくして、吾々が強い感情を持つと其感情が色々の態度を要求して來る、悲...

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■近代文藝之研究|講話|オペラ雜感(6)

■近代文藝之研究|講話|オペラ雜感 (6)
茲に言ふ寫實的と申すのは、方法の寫實的なるを云ふのでありますから、サブゼクトはローマンチツクでも構はぬのでありまして、龍が物を言ふと云ふやうなことは世間で所謂寫實的ではありませぬが、龍と云ふ概念を龍らしくして觀せれば矢張寫實であります、成る可く其物に見える...

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■近代文藝之研究|講話|オペラ雜感(5)

■近代文藝之研究|講話|オペラ雜感 (5)
それから伯林に參りましたが此處はオペラの本場でありますから大分研究的に觀ることが出來ました、生きて居る作者の物ではフンバヂンクの「ヘンゼル、ウント、グレーテル」と云ふお伽オペラを初に觀ました、それから伊太利のレオンカバローに獨逸の皇帝が頼んで作らせた「ロー...

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■近代文藝之研究|講話|オペラ雜感(4)

■近代文藝之研究|講話|オペラ雜感 (4)
今なぜ私が淨瑠璃と思つたかと云ふことを考へて見ますと、第一の理由は、先づ「カーメン」を聞きましたが、「カーメン」と云ふのは筋が近世的である、カーメンと云ふ感情の強い卷煙草屋の雇女に成つて居る女があつて、其女が朋輩を殺して捕はれた然るに番兵を色仕掛けにして欺...

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