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盗月Blog——島村抱月TextData——


島村抱月・著『近代文藝之研究』のテキスト・データ化ブログ。2014年02月に全文のデータ化終了。只今入力ミス等の校正進行中。

■近代文藝之研究|講話|オペラ雜感(5)

■近代文藝之研究|講話|オペラ雜感 (5)
それから伯林に參りましたが此處はオペラの本場でありますから大分研究的に觀ることが出來ました、生きて居る作者の物ではフンバヂンクの「ヘンゼル、ウント、グレーテル」と云ふお伽オペラを初に觀ました、それから伊太利のレオンカバローに獨逸の皇帝が頼んで作らせた「ロー...

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■近代文藝之研究|講話|オペラ雜感(4)

■近代文藝之研究|講話|オペラ雜感 (4)
今なぜ私が淨瑠璃と思つたかと云ふことを考へて見ますと、第一の理由は、先づ「カーメン」を聞きましたが、「カーメン」と云ふのは筋が近世的である、カーメンと云ふ感情の強い卷煙草屋の雇女に成つて居る女があつて、其女が朋輩を殺して捕はれた然るに番兵を色仕掛けにして欺...

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■近代文藝之研究|講話|オペラ雜感(3)

■近代文藝之研究|講話|オペラ雜感 (3)
第二の理由は素人が西洋の音樂を聽くと晴れやかな、喜ばしい、艶のある所よりも寧ろ濁つた重い莊嚴な乃至は悲しい方面の音樂は慣れると分かり易くなる、そこで私が始めてオペラを聽いたときも其の方が耳に這入つて來て、解するにむつかしい方の調子が頭に餘り深く殘らなかつた...

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■近代文藝之研究|講話|オペラ雜感(2)

■近代文藝之研究|講話|オペラ雜感 (2)
さうして有名なる幕は第三幕でありますが、上が寺で其床下に勇士が押込められて居る、アイダは父の爲めに男に裏切りはさせたが自分の愛したる男であり男の清き愛も貴しで共に床下の牢屋に這入つて懺悔して共に死ぬと云ふのでありまして、眞暗の床下には勇士が押込められて其入...

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■近代文藝之研究|講話|オペラ雜感(1)

■近代文藝之研究|講話|オペラ雜感 (1)
    オペラ雜感
私は英吉利と獨逸とでオペラを觀たのですが、それに付て思出したことを雜感として述べませう、英吉利で聞たのは第一がローヤル、オペラ座でありますが、英吉利本國のオペラといふものはまだあまり立派でありませんから、獨逸で夏のオペラのサイゾンの濟ん...

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