■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫…(16)
- カテゴリ:その他
- 2010/07/26 01:59:25
■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫を論ず 四(3)
千八百八十八年ミユンヘンに開かれた萬國展覧會英國繪畫室の大壁の中央に一つの全身畫像が懸つた。モデルは脊の高い、ひどくすらりとした婦人であつたが、其の容子がさながら見物から繪のうしろの方へ歩み去らうとしてゐるやうで、ちやうど頭を振り向けた横顔が、消え失せる前に最後の一瞥を跡に投げるといふ風に見えた。是れはレデイ、アーチボールド、カムベルで、イギリスで最も美しい婦人の一人である。此肖像畫で、彼の女はその凡ての媚に生きた。その華奢な體、その淺褐色の髪、その貴族的な手と深い眼ざし。(中略)全身黒い背景に對した灰色で立ち現はれて、たゞ微妙な灰色がかつた青と鳶色がかつた灰白との調子に、ちよつとした淺褐色と、ちよつとした薔薇色とをあしらつて柔らかに生かしてあるばかり。それに拘はらず其の繪は空氣に滿ちてゐた。不思議に柔かな調和した空氣に滿ちてゐた。私は其のモデルが生きて、歩いて、動いてゐるかと思つた。是れがゼームス、マクネイル、ホヰツスラーの大作である。
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*註1:千八百八十八年ミユンヘンに
ここより1字下げ(ムーテル『近世繪畫史』引用部分)。
言及されている「レデイ、カムベルの立像」は“Arrangement in Black: La Dame au brodequin jaune - Portrait of Lady Archibald Campbell”のこと。
[作品参照]⇒http://www.the-athenaeum.org/art/full.php?ID=18808
*註2:繪畫室・畫像・肖像畫
「畫」の俗字体(一説に本字とも)。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/ga_kaku.jpg
*註3:婦人
「婦」の旧字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/hu_tsuma.jpg
*註4:消え
「消」の旧字体。旁の「ナオガシラ」は「小」。
*註5:前に
「前」の旧字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/zen_mae.jpg
*註7:淺褐色
「褐」の旧字体。「衣偏」+「曷」。
*註8:全身
「全」の正字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/zen.jpg
*註9:黒い
「黒」の旧字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/koku_kuro.jpg
*註10:灰色・灰白
「灰」の旧字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/hai.jpg
*註11:青
「青」の正字体。「月」は「円」。
*註12:空氣
「空」の旧字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/sora.jpg
*註13:柔らかに生かしてあるばかり・柔かな調和した空氣
「柔」の送り仮名が異っているが原本のままとした。
*註14:ホヰツスラーの大作である。
ここで1字下げ、終わり(ムーテル『近世繪畫史』引用部分)。
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■抱月『近代文藝之研究』を註記なしに通しで読みたいかたは、こちらをどうぞ。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/kbk_tobira.html
■このテキストの原本は国立国会図書館「近代デジタルライブラリー」収録の「近代文芸之研究 / 島村抱月(滝太郎)著 早稲田大学出版部, 明42.6」の画像データに依っています。
http://kindai.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/871630/1
tomie さんは、絵に興味を持ってらっしゃるし、実際に絵を描いてらっしゃるので、
この「歐洲近代の繪畫を論ず」の項目は、参考になる部分も少なくないと思います♪
註記にある
http://www.the-athenaeum.org/art/full.php?ID=18808
のページの絵は、ブラウザの別ウインドーで開いて見ることができましたか?
この絵は、ホイッスラー(抱月は「ホヰツスラー」)という画家が描いた、
『黒のアレンジメント - レディ・アーチボード・カンベル』
(抱月は「レデイ、カムベルの立像」と呼んでいます)と題された絵です。
そして、今回本文で記述されて個所は、この絵について、
美術評論家のムーター(抱月は「ムーテル」と呼んでいます)が
『近世絵画史』という本の中で、こんなふうに述べていますよ
……と、抱月が読者に翻訳・紹介している部分です。
> モデルが生きて、歩いて、動いてゐるかと思つた
と、そう思ったのは抱月ではなくて、ムーター(「ムーテル」)のほうです。
その点を押さえて、もう一度、ホイッスラーの絵を見てから、文章を読むと、
ムーターがこの絵にどんな印象と感想を持ったかが、よくわかると思います。
いつみてもよくわかんない(@_@;)
うちってバカなのかな?
そっかバカだからわかんないのね(笑
なんか納得した♪ww
美しい婦人俺の仲では1人だけ・しってるでしょ
紫苑ちゃん・恥ずかしいリアとも。5人も・すてがたい
えーい迷うな・まーあ・雰囲気は御たがい・ラブラブなんで・いいか
好き言われたし・・て・全員に言われてる・微妙だね
しってしっまったね・切らしてもらう・とりゃーーあ。にげたか・さすが早い