Nicotto Town


盗月Blog——島村抱月TextData——


おわりに

当初は、3年間の道草のつもりでこの『近代文藝之研究』のテキストデータ化作業をはじめたのだが、丸々5年間も費やしてしまった。
いかにものろまな性格丸バレだが、とりあえずこれにてこの Blog はメンテナンス・モードに入ることとした。

いちおうの入力は完了し終えたものの、たぶん、あちこちに地雷のように、私自身の誤植や入力ミス・カン違い等が隠れているはずだ。
さらには、初期段階では原本の誤植は誤植のまま、ひたすら原本を再現可能なようにと入力し註記を添える形、という原本至上主義を旨としていたのだが、『近代文藝之研究』は雑誌発表作品の再録がほとんどであるため、人名や作品名・国名などの表記の統一性がまったく考慮されていない。この扱いには最後まで迷った。また、原本自体にも誤植が大変に多い。そのため、途中から原本至上主義をあらため、明らかな誤植と気付いた部分は改めるように方向転換した。

自分自身の誤植、原本の誤植、表記の統一性の問題。この3つをメンテナンス・モードで解決していきたいと思う。

厳密なオリジナル・テキストにこだわらず、とりあえず全文を読みたいというかたは、Windows・Mac どちらの機種依存文字をも排除した上での、現在使い得る最低限のパソコンの文字環境でも読める形として、次の URL ページに既に全文を UP してあるので、こちらで読んでもらいたい。

http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/kbk_tobira.html

なお、このページはスマートフォンだと見苦しい表示となってしまうため、単純に.txt データとか、あるいは PDF でも提供したいと思っているが、メンテナンス・モードの初校が終わった段階でそのことは実現したいと思う。
このメンテナンス・モードの終了目標は……今度は大ボラ男として失笑を買わないよう、“未定”ということでご容赦願いたい。m(_ _)m

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 盗人、引き窓より縄にとりつき、ぶらりとさがり、うちのようすをうかがい見れば、亭主見つけて、
「やあ、何者じゃ。月夜に釜をとろうとは、ふといやつ」
 と、いえば、
「いやいや、水がめの月をとりに参った」
  …安永七年刊『春笑一刻』
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できれば、『近代文藝之研究』以外の抱月の著作にも挑戦するつもりでいたが、ぼちぼち還暦も秒読み状態の私には、ほかにもなさねばならぬささやかな優先事項が待ち構えているため、これは他の若き盗人有志のご登場を願うこととして、ひとまず夜陰の中へとドロンさせてもらうことにした。




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