■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫…(64)
- カテゴリ:その他
- 2010/09/23 00:05:01
■近代文藝之研究|研究|歐洲近代の繪畫を論ず 十四(1)
十四
色彩を主とする裝飾的傾向と、現實自然の眞に觸れやうとする自然派的傾向との結合が印象派であるとすれば、ホヰツスラー等の新派も亦た根本は同じである。ただ其の方法に於て、彼等は印象派よりも更に多く現實の助けを斥けやうとする.隨つて自然派から隻脚を踏み出すことになる。其の踏み出した隻脚は何處を指してゐるか。ホヰツスラーは之れを音樂だといふ。此の場合に音樂といふ語には、感覺から直接に最後の靈的意義に連なるといふ神秘な意味が含まれてゐる。耳に音を聞くだけで、それがそのまゝに何だか深い/\意義であるやうに思ふ。此の氣持を指すのである。即ち感覺即靈といふ標象的傾向に外ならない。併し凡ての藝術の中で此の役目を最も完全に成し遂げ得るものは、音樂であらう。耳から這入つて來る感覺には不思議に此の神秘性がある。是れの反對の極に立つてゐるものは散文々學で、繪畫は其の中間に位する。
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*註1:色彩
「彩」の旧字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/sai_irodori.jpg
*註2:裝飾
「飾」の旧字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/syoku.jpg
*註3:更に
「更」の旧字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/sara.jpg
*註4:隻脚
「隻」の旧字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/seki.jpg
*註5:音樂・音を
「音」の正字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/ne_oto.jpg
*註6:連なる
「連」の旧字体。「シンニョウ」は「二点シンニョウ」。
*註7:神秘
「神」の旧字体。扁の「ネ」が「示」。
*註8:深い/\
「/\」は踊り字・くの字点。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/odoriji.jpg
*註9:併し
「併」の正字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/shikashi.jpg
*註10:完全に
「全」の正字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/zen.jpg
*註11:成し遂げ
「遂」の旧字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/sui.jpg
*註12:這入つて
「這」の旧字体。「シンニョウ」は「二点シンニョウ」。
*註13:散文々學
「文」の旧字体。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/bun_aya.jpg
*註14:繪畫
「畫」の俗字体(一説に本字とも)。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/moji/ga_kaku.jpg
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■抱月『近代文藝之研究』を註記なしに通しで読みたいかたは、こちらをどうぞ。
http://www5e.biglobe.ne.jp/%7Ehanadada/tougetsu/kbk_tobira.html
■このテキストの原本は国立国会図書館「近代デジタルライブラリー」収録の「近代文芸之研究 / 島村抱月(滝太郎)著 早稲田大学出版部, 明42.6」の画像データに依っています。
http://kindai.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/871630/1
国立図書館行きましたよ3連休の時PC持ち歩いてたんでここ見てたりねしながら。他色々回りましたよ^^
メイドカフェーが一番長くいたね^^上のデータ最近いいね^^
逆ナンされちゃたけど、お茶だけですよ^^念のため^^・ここ・関係ないこと書いてるけどいいよね^^