Nicotto Town


ごま塩ニシン


脳活『為ブログ』459-2

  予想外の展開。
 しばらく待っていると、道路の真向かいにある喫茶店「コーヒーゲート」のマスターが出前をもって来た。
「お待ちどうさまです。」
「料金はいくらですか。」
「もらっています。失礼ですが、藤野(弁護士をしている友人の名前)先生と同じように、あなたも弁護士さんですか。」
「とんでもない。僕は高校の友達です。」
「そうですか。藤野さんは、なかなかのやり手ですな。この部屋には組事務所がはいっていたのですよ。家主が困って、なんども立ち退くように催促していたのですが、なかなか出ていかなくて、この近隣でも困っていたのです。それを、藤野先生が追い出してくれたのです。このあたりの商店街の人は藤野さんに感謝してます。そやから、先生の名前が有名になりまして、このビルを持っている家主も家賃はいくらでもいいから、しばらくの間、藤野先生の事務所として借りてくださいということになっているのですわ。」
 マスターは質問をしていないのに周囲の事情を説明してくれた。
「ほう。そうだったのですか。全然、知りませんでした。彼は昔から余計なことを話さない男ですから。」
「口が堅いのは、弁護士の信用ですな。」
「今、組関係の抗争がありますね。間違えて、襲われることはないですか。」
「さあ、それは。無いとはいえませんよ。」マスターは軽く言った。(つづく)


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2016/05/16 08:19
続きが楽しみです。
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2016/05/15 17:13
小説だ。



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