Nicotto Town


ごま塩ニシン


脳活日誌809号

   発掘現場の説明会。
 新聞記事で予告があったので本日、現地説明会へ行ってきた。雲一つない晴天の下での見学となったが、暑かった。マスクをしていたら汗がタラタラで即座に外した。調査は奈良市教育委員会文化財課・埋蔵文化財調査センター主催「平城京左京二条四坊十坪の調査ー平城京708次調査」ということであった。現地説明会に行くと受付で必ず資料を貰える。これが貴重で、この資料に基づいて調査員から説明を受ける。現物を見ながらの発掘調査の説明であるから、実に分かりやすい。説明が終わると、何人もいる調査員の人に自由に質問ができるから、古代史ファンにとっては本当にありがたい現地説明会である。

 奈良時代中頃から後半にかけての貴族の屋敷跡であった。この周辺には高級貴族の屋敷が建ち並んでいたらしい。発掘された対象敷地は平安時代の前半頃まで利用され、時代の経過につれて敷地が小さく区画されていった過程が井戸の数などによって確認されるというものであった。また、平城京が建設される以前からあった中つ道の側溝が確認されたことも発掘の成果とされている。古代の幹線道路として飛鳥時代から南北に走る上つ道、中つ道、下つ道があるが、下つ道は平城京の朱雀大路へと繋がり、今回の調査で中つ道の側溝が確認された。

 発掘された遺構の北東方向には大伴氏の屋敷があったとされており、古代史に名を遺す官人達の姿が蘇ってきそうである。この当時の貴族の生活は長屋王の屋敷の発掘調査(1988~1989)でかなり詳しく知られるようになった。『平城京1300年「全検証」奈良の都を木簡から読み解く』(渡辺晃宏著、柏書房)に詳しい。ファンです。




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