Nicotto Town


ごま塩ニシン


夜霧の巷(27)

 菅原の眼を輝かしたのは地元紙の「港タイムス」の紙面であった。大手と違って、地元ならではの視点が出ていた。他紙に先駆けて、ピストルで撃たれたのは地域経済研究所勤務の青垣勇作と氏名入りで断定していた。これは驚きであった。青垣といえば、運河の橋の上で信太盛太郎と車で接触しそうになった時の運転手ではないか...

>> 続きを読む


夜霧の巷(26)

 この時、コーヒーショップ・カモメにカメラを構えた報道関係者がワ~っと入ってきた。コーヒーショップである以上、誰でも入れるから文句は言えない。警察関係者だけでなく菅原も揉みくちゃにされた。矢面にたった店長の浜田由梨花はテレビ各社に同じことを繰り返すだけであった。マスコミの興奮が収まるまで仕方がない。...

>> 続きを読む


夜霧の巷(25)

 二人の刑事と制服を着た警察官が店に入ってきたのは数分後であった。「事件を目撃されて、警察に連絡してこられたのは、どなたですか。」 刑事が入ってきたので由梨花は仕事顔に戻っていた。先ほどまで慎一郎の胸に縋って、鳴き声で「怖かった。」と訴えていた姿は演技だったのかとアルバイトのウエイトレスは思ったくら...

>> 続きを読む


夜霧の巷(24)

 二人の青年客がコーヒーショップ『カモメ』を出た直後であった。パーンと乾いた音が三発、連続して港に響いた。続いてキーン、ブーンと車が急発進する音が続いた。レジーにいた浜田由梨花は「何の音だろう。」と不振に思って、道路に視線を向けると、先ほどまで店にいた青年の一人がが50メートルほど先の道路でうつ伏せ...

>> 続きを読む


夜霧の巷(23)

   《『夜霧の巷』のあらすじ。》 長いこと書いていないので『夜霧の巷』をどのあたりまで書いたのか、書いている本人が忘れている状態です。先日、初めから読み直しました。私が構想している物語の約四分の一ほど書いたことになります。一応、100回を目指しています。
《あらすじ》 初老の信太盛太郎が終電の地下...

>> 続きを読む





月別アーカイブ

2024

2023

2022

2021

2020

2019

2018

2017

2016

2015


Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.