Nicotto Town


ごま塩ニシン


脳活日誌1013号

   晴天続き。散歩日和。
 今日はお正月用の葉ボタンを買いに行った。店に寄って値段はまちまちである。6株を560円で買って帰った。商売というのは不思議なもので、ちょっと離れたスーパーの二階にある花屋で掘り出し物を見つけた。足で稼ぐと言うが、まさに言葉通りで歩いただけの値打ちがあった。冬至でユズ風呂...

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すれ違った影の交錯(2)

 母が入院している介護病棟の部屋から大野明美は回想していた。眼下に佐治川があった。川幅は十メートルほどだが川堤に桜が植えられ、春になると病棟から花の絨毯が見渡せた。病室は2人部屋で窓側が大野千代乃、ドア側には母より三歳ほど年配の患者が入院していたが、1か月ほどで退院すると、翌日には別の患者が入ってき...

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すれ違った影の交錯。

  渓流沿いの窓辺から。
 大野明美は、北野政頼のことを思い出すと、眼下の渓流に過去の感情を投げ捨てた。古屋弁護士から何度も北野が残した遺書を受け取ってもらいたいという要請を受けていたが、北野の遺志を受け継ぐ気になれなかった。受け取れない理由は彼女自身の問題であった。北野との結婚生活で生まれた浩美と...

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脳活日誌1012号

   今日は疲れ果てた。
 年末の掃除と言うことで、部屋の天井をウエットティシュで拭いたのである。長らく天井の掃除などしていなかった。掃除機でサッと撫でる程度であった。今年は本格的にやってみたが、ウエットティッシュが黒くなる始末であった。毎日、天井を見ながら寝ているが、こんなに汚れていたとはビックリ...

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封印された遺書(10)完。

 駅に向かって歩を進めようとした時であった。藤木文子は謎めいたことを言った。
「実は、こんなこと言っていいのかどうか迷うのですが、亡くなった北野さんの机を整理していると奥さん宛の遺書が見つかったのです。」
「遺書?遺言書ですか。」
「そうです。」
「それで。」
 君岡は藤木文子の顔を真剣に見た。彼女...

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