Nicotto Town


ごま塩ニシン


新怪アウトプッター(8)

「社長の仰る通りです。私も、そのことを心配していたのです。」
 総務部長の平田は社長の言葉を復唱した。
「今のところ、自社のデータが漏れたかどうか、ですが、それはないと思いたいですね。これから、さらに精査してみますが、それらしき兆候がありませんから。それよりも、M社の方で情報の流失について気付いてい...

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新怪アウトプッター(7)

 電子部品S商事の小野寺は胆力のある男で、大胆な提案力と成果主義の制度の中で社長の座を射止めた実力者であった。平田総務部長の書類に一瞥すると秘書に大型封筒を持って来させ、問題の文書を封印すると木村専務と技術開発の吉岡室長を同席させた。というのはM社とは取引関係にあり、M社が製造する汎用AI部品をS商...

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新怪アウトプッター(6)

 女子連中を誘う以上、宮田弘子は居酒屋「魚秀」の二階の個室を予約していた。思いついたら、手際よく実行するベテランの手際があった。しかも、経理から三人出るので、総務からは峰平以外に追加で二人の社員が顔を出した。最近はノンアルコールの飲み物があるので注文品が出そろうと、「乾杯!」となる。何のための乾杯な...

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新怪アウトプッター(5)

 トイレで誰かと出会って、宮田弘子は長話をしていたようであった。席に戻ると浜村課長の姿を窺う様子であった。「由梨花さん。課長、何か言ってこなかった。」 宮田は体を伸ばして小さな声で訊いてきた。「お手洗いだったのでしょう。そう、いっておきましたわ。」 由梨花も声を、ひそめて応じた。すると、宮田は席を離...

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脳活日誌1034号

   掌を返すように晴れ。 じわじわと春の気配。陽射しが光量を増してくるようである。太陽の登ってく角度が上がってくるようだ。春のステージ。今年はどのようになるのだろうか。見た目には毎年、同じような現象なのだが、自然界に同一なものはない。同じものでも別物である。鏡の中の自分、昨日と今日とでは違っている...

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