Nicotto Town


すずき はなこ


これは形而上学的な問題か。

今週の初め、月曜日の朝はわたしは、頭を抱えていました。
「どうやってAさんを、立ち直らせようか」
奢った言い方に聞こえますが、
Aさんに関しては、家賃滞納、(成人した)子供たちの放蕩放埓、
Aさんご自身の持病の悪化、生活困窮・・・じつはこのあと分かったことですが、
近隣トラブルで、警察が3度も出動していました。

なんとか、還暦を迎えたAさんを、楽にしてあげたいと、
生活保護申請のため画策までしていましたが・・・
突如、「引っ越しします」と。
「へ?」というぐらい拍子抜けしましたが、
そのあと、こちらの跡地開発計画が一気に浮上したので、
根本的な問題、
「Aさんは、なぜ、アアなのか」が、理解できないでいました。

昨日、退去届の提出を確認するために電話してみました。
案の定、「(こちらの)住所が分からない」「忙しい」などの理由で、
さっぱり書類など書く気はないようしたが、
丁寧に住所と郵便番号と、届出用紙の記入方法を説明し、
ついでに、今後の生活方針を伺ってみました。

結果からいいますと・・・
聞かなきゃよかった。

「がんばる」と言っていた長女は、
「はなちゃんが、うるさく家賃の督促を言ってくるから」、
うつ病の次女は、今行ってるバイトの焼肉屋が近くなるから、
Aさんは、どうも「みんなで一緒に頑張ろうという気になれたから」らしいんですが、
いままでだって、みんな、とっかえひっかえ一緒に転がり込んできていたではありませんか。
どうも、ノリで言ってるとしか思えない。

長男B君は、とりあえずの出費が無くなったのを喜んでいますが、
新しいお店(喫茶店)をどこで開くのかと聞くと、
「まずは、みんなで住める家を探すだけ」といいます。
それについては、家賃を滞納するくらいだから貯金は全くないので、
7月までにお金は貯めるから心配ないと、チョー楽観的。
あの・・・。
わたし、長年「吹け飛び」株式会社をやらせていただいておりますが、
近年、下流老人の孤独死や,腐女子の汚部屋、ヒモ男の転がり込みを嫌がって、
高齢の独身女性の入居を歓迎する不動産屋はいませんよ。
しかも、あなたたち、だれも定職についてない・・・。
収入証明は上がらないわ、精神疾患だわ、抱いてる赤ん坊は、どう見ても外国人。
「これから(今日)、不動産屋をまわる」ですって?
(なのに、退去届を先に出すですって!?)

もう、開いた口が塞がらないとはこのことでした。

でも、わたし、自分を押しとどめました。
だれも、わたしの助言は聞いていない。
もとより遡れば、喫茶店経営には保健所の立ち合いが要ること、
税務署に開業申請をださなければいけないこと、
税金を支払うために、まず帳簿が必要なこと、
これらも含め、最初から何も聞いてはくれませんでしたが、
「Aさんは、なぜ、アアなのか」
これを根本的に理解しないと、結果として彼女の人生が(失礼ながら)転落していく理由が、まったく!判らなかったのです。

結果はそれに至るまでの、岐路の選択によります。
彼女(と子供たち)は、すべて自分たちで選択して、それで今があります。
今,やっと分かった気がします。
彼女(と子供たち)は、たえずラクな方、面倒くさくないほう、難しくない方、
社会的ルールは掻い潜る、
都合が悪くなったら逃げ回る・・・
それが、選択方法だったのです。

いえ、わたし、怒っているのではありません。
わたしには、それらは到底理解できない考え方だったのだということが、
たった今、分かっただけなのです。
わたしが、バカだった・・・・。

もう、何も言いますまい。

願わくば、今日、Aさんたち親子が巷の不動産屋に行って、
「ご希望に沿う物件は、いまありませんねえ」と言われる前に、
退去届を郵便ポストに投函してくれることを祈るばかりです。
これ以上、わたしの立ち入るスキはありません。
いや、もうなんとか、無事に引っ越しして頂きたい・・・。
彼女たちの幸福を心底願って今までやって来ましたが、
わたしは、彼女たちを何も理解してはいなかったのです。
全て、今までのすべてが彼女たちの選択の結果なのであれば、
わたしが止めても、彼女たちはそちらを選んで行くしょう。
奈落の底に通じる道を,嬉々として歩んでいこうとしているのに・・・

わたしは、無力です。





    

アバター
2016/05/20 22:00
たくさんのコメント、ありがとうございます。

今日、Aさんから正式の退去届が郵便で送られてきました。
「7月31日に引っ越しします」と記載されて印鑑が押されていました。
取りあえず法的には、これでAさんの退去は決定です。
期日が伸びると、違約金が発生します。
もっとも、マンション建設計画が出来上がっていますので、
ただの違約金以上の額になりますから、Aさんは、出ていかざるを得ないでしょう。

なんとも・・・・
アバター
2016/05/20 21:49
ああ、やっぱり
アバター
2016/05/19 21:21
確かに・・・無事にお引越しをされます様に・・
アバター
2016/05/19 16:56
こんにちは^^いつもありがと
なにやらむずかしそうな家族なんですねぇ
本人(たち)がそれでいいと思っていれば他人があーだこーだ
いってもそうはならないと思うけど
はなこさんに被害(金銭的)がなければ
関わらないほうがいいかもですね

アバター
2016/05/19 14:54
うーん!
違和感がありましたか・・・
でも、スッキリとはいかないまでも、
一歩前進したと思います

あとは、このAさん家族が、はなこさんに泣きついてこないで、
何とか自分達でめんどうでも生きるためにやってほしいと願います

はなこさんは 自分が大変な状況にあっても
他人を慮ることが出来るやさしい人だから、
背負ってしまうのではないかと心配です
アバター
2016/05/19 14:45
助けられる用意のない人は、誰も助けることができません。
アバター
2016/05/19 14:11
ブースカよ・・・。
還暦といってもイマドキの還暦は若いし、隠居してる場合でも無いでしょうに。
 私、離婚を決めて、家を探す時に不動産屋さんに行ったのですが、まともな物件なんて提示してくれませんでした。
自殺の現場だったり、辺鄙な、または超古い、などの酷いところをあげてくるので心底こういうものかとガックリしましたよ。CMのうたい文句なんて嘘ばっかり。×1、子持ち、老母と同居がこれほど足元みられるとはってね。
だから、URにしたんだよ。3か月分の家賃を先払いすれば文句も言われずすんなり入居できるもん。
楽な方、簡単な方にゆらゆら流れていくといつか激流にのまれて滝つぼに叩き落される・・・。救えるのは自分自身だけだよ。 はなちゃんが無力なんじゃない。どれほど優遇されているか理解できない人たちと心を通わせる事は不可能だと、思う。残念だけど。
アバター
2016/05/19 09:46
無力なのです、だれでも。
わたしなんぞ頼りまくって依存するのが大好きな
人間ですから、人のことは二の次さんの次。自分が
とにかくラクであるにはどうしたらいいかという努力は惜しみません(笑)
意外とそういう「超自己中」なやつが周りから「まじめ」だとか「優しい」とか
いわれるので驚く。はなこさん、優しすぎるから色々考えちゃうんでしょうねー。
無力、いいじゃないですか。ソクラテスの「無知の知」と同じだと思う♪
アバター
2016/05/19 09:40
やっぱり・・・
アバター
2016/05/19 09:11
世の中には、理解できない人がいっぱいいます・・・
例えば、道端へのポイ捨てが、私には理解できません!
それを平気で出来る人がいるんですよね・・・
その場限りの先を考えない選択をしてきたAさん家族、向上心がないというか、常識がないというか・・・
それでも、それが彼女達の生き方で、
そのために他人に社会に、どのような迷惑が掛かるかは考えないのでしょう

はなちゃん
一生懸命な人は応援したいけど、他人に甘えて生きている人の世話はしないほうが、本人達のためだと思います
そうして、かいくぐってきた人は、生き方を改めようとはしないでしょう



カテゴリ

>>カテゴリ一覧を開く

月別アーカイブ

2024

2023

2022

2021

2020

2019

2018

2017

2016

2015

2014

2013


Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.