Nicotto Town


すずき はなこ


世にも恐ろしい殺意。

むかし、大阪本町にロクサンという、犬がいました。

ロクサンは、商家の飼い犬で、長く可愛がられていましたが、
ずいぶん、歳もとったので、可愛いというわけでもない・・・、
しばらくして、おかみさんは、どこからか子犬をもらってきました。
やっぱり、若くて小さい犬は可愛いと、みんなから大事にされました。
ところが、ある日、谷町6丁目あたりで、
当時走っていた路面電車に轢かれて、死んでしまったのだそうです。

なんで、そんなところまで行ったのか、
わかりませんでしたが、
おかみさんは、また近所で生まれた子犬をもらうことにしました。

そうすると、今度は、前の道路で、車に轢かれて、
あっけなく死んでしまいました。

2度あることは、3度あるといいますが、
今度こそは、小さいうちに死なすまいと思い定めても、
やっぱり、電車や車に轢かれて死んでしまうということが続きました。

おかみさんが、またまた、どこからか可愛い子犬をもらってきて、
そうそう、そんなことは続くはずがないと思っていたある日のこと、
家の普請に来ていた大工さんが、とうとう、
見てはならないものを、見てしまったのです。

家人や出入りの人たちが忙しくなって、
子犬に構わなくなる頃合いに、
なんと、ロクサンが子犬を伴って、
表通りに足取りも軽く出て行くのだそうです。

先輩の老犬にじゃれるようについて行く子犬は、
わざわざ、交通量の多い道路や、線路の方へ連れて行かれたそうなのです。
ロクサンは、主人の愛情が子犬に移るのが嫌だったのですね、
何もわからない子犬は、そのまま轢かれて一巻の終わり・・・。
恐るべし、ロクサン。

脚注:今日、うちに来ていた大工さんの友達の話し。

アバター
2014/04/09 19:41
にこるさん、こんばんは。

にこるさんは、ほんとに、よく本をお読みになっていますねー。
平山夢明さんですか、
探してみます。

でも、怖い本みたいだなー。。。。
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2014/04/09 18:21
人間でも同じことが起こってますよー
兄弟姉妹で差がある場合などに、弱い立場の方が陰湿なコトをやらかし、最悪官憲のお世話に…
周囲の何気ない言葉などに彼らはひどく傷つき、上の立場の相手を仇が如く憎み、手にかけようとします
そんなオハナシを平山夢明さんという方が文庫本で10冊以上も書いてなさるので、興味があったらどうぞです
アバター
2014/04/09 06:35
ⅿ‐kenkenさん、顔が恐い・・・。
一瞬誰だか、分かりませんでした・・・。

「ロクサン、おそるべし」が、今、我が家の流行語大賞です。
アバター
2014/04/08 21:24
そのくらいロクサンを邪険にしていたという事かもしれません、
以前から飼っていたワンちゃんも可愛がらないと新しい子は
前の犬に可愛がってはもらえません。

私は実家にレイラを連れて行っても実家の犬を可愛がってます、
散歩も一緒にするし遊ぶのも一緒。

なので実家犬の前で 「レイラと遊ぶ?」と言うと尻尾を振って
くれます。
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2014/04/08 20:48
恐い話でしょーっ!
今日、おじいさんから聞いたとこなんですが、
もう、背筋がぞおおおおおおおっとしました!

犬が、犬を殺すなんて!
信じられない!
これ、仏教だったら、犬畜生道から、どこへ落ちることになるんだろう?!
恐いよっ!
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2014/04/08 20:03
わぁ・・・昔話の教訓譚みたいですね><
アバター
2014/04/08 19:35
コワイ、コワイ、コワイ~ッ!
いぬたは明朗で屈託のないコであってほしい。
どっちかっていうとネコタのやりそうな話なんですがね・・・。独占欲って人だけじゃなく動物にもあるんですねぇ。「愛情」って薬にもなり、毒でもあり。やっかいなんだなぁ・・・。
あぁ~こわい・・・




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