快挙!!!
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- 2010/06/05 23:36:40
自動車業界の不況が叫ばれて久しい。
昨年秋には私にとって最大の痛恨事であるTOYOTAのF1撤退が有り,しばらくショックから立ち直れなかったくらいだ(何せ小林可夢偉が見事な走りで,エースのヤルノ・トゥルーリと共にW入賞したアブダビGPのたった2日後だ・・・)。
ホンダの撤退はそれよりも1シーズン前,次のマシーンもできつつあったその前年の暮れのことだった・・・。
本来モータースポーツなど,利益が全く還元されないものであり,F1など大橋巨泉をしてこの世に不要のものと言わしめたらしいが,利潤の追求や市場への還元がモータースポーツの本質ではないことは以前述べた。
BSも今年限りでF1から撤退するし,何とも不景気な自動車業界であるが,少しばかり明るい話題を見つけた。
以前拙サイトで述べたが,ファンとかユーザーの方には申し訳ないが,私はホンダというメーカーが好きではない。
マクラーレンが嫌いになったのはホンダとのタッグの後だったし,アイルトン。・セナが好きではない私としては,ホンダ-CX-セナ-古舘という路線がどうしても好きになれなかった。
また,私の若い頃のトレンドはホンダ車だった。
イメージ戦略が極めて上手いメーカーだけに,若者のホンダ・スポーツカーのホンダ・F1のホンダというイメージは,80年代中期のF1での成功とセナの活躍,そしてプレリュードにインテグラ(初期はクィントインテグラ)というトレンドカー戦略の成功によって揺るぎないものとなった・・・(そのホンダが,fitの成功によりコンパクトカーのホンダとカメレオンの如くイメージチェンジに成功したのは,皮肉ではなく見事と言うより他はない)。
世の流行に背を向ける天の邪鬼を標榜する私が,こうしたものに飛びつく筈はない・・・。
だから私はこのメーカーが未だに好きではないのだが,今回だけは例外で賞賛したい。
何と前々からホンダが開発中だった航空機が,遂に初飛行の運びとなったのである。
意外に知られていないことであるが,航空機の開発はホンダの悲願でもあった。
創始者の本田宗一郎が,戦後エンジニアリングを志すきっかけとなった一つに,戦時中何の苦もなく高々度を飛行し,成層圏から爆撃をするB29を見たことが言われている。
加速性や旋回性に勝る我が国の戦闘機が高々度に上がるのにあっぷあっぷしていた時期のことである。
プロペラの自動切削を行っていた30代だった宗一郎は,あれに勝るエンジンを何としても作りたい・・・と思ったことだろう。
その悲願が,来年で没後20年という節目にようやく実現されることとなった。
新開発のホンダジェットは,8~9人乗りの小型のジェット機で,おそらく自家用機やビジネスジェットとして使用されることになるのだろうが,国産初のジェット旅客機を開発中である三菱とともに快挙として讃えたいと思う。
正直言って,不況を極める自動車産業への対抗策にはならないだろう。
むしろ利潤を考えると,焼け石に水となる可能性の方が遥かに高いと思われる。
しかし大空を翔る夢とか地上最速に賭けるロマンといったものは,金では購えぬ普遍的価値を持ちうるものと思いたい・・・。
ま,不満を言うならば,航空機開発をする予算が有るならF1を切り捨てて欲しくなかった・・・という点のみだが・・・。
初飛行ですね,遂に。
まさにエンジン屋の意地ですね。
おそらく利益還元どころか開発・生産打ち切りの方が濃厚ですが,アンチホンダの私としても賞賛したいところです。
ホンダはどうもユーザーに媚びる姿勢がどうにも好きになれませんでした。
尤も当時は,F1のホンダ,若者のホンダ,スポーツカーのホンダというイメージが強く,おっさんのトヨタと好対照でしたから,私が好きになる筈無いわけで・・・。
作っているのは知っていましたが、実現したんですね。
これは素晴らしいこと。
これぞエンジン屋の意地ですね。
技術の成長は、利益とは別の次元で成し遂げられると常々思っています。
ホンダというメーカー自体は、F1から逃げ、S2000も捨てて、NSXの開発からも逃げ、そのNSXになれなかったクルマでスーパーGTに参戦するというスポーツカー好きをナメきった会社なので大嫌いですが( ´ー`)