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「江~姫たちの戦国~」-第5回「本能寺の変」

かつて,私にとって大河ドラマは敷居の高い代物でした・・・。
今更年バレも無いので言ってしまうと,最初に見た大河は「源義経」でした(といっても総集編の後編でしょうが)。
その年の大晦日のことで,終わると同時に紅白が始まったと記憶しています。
先頃物故した緒形拳の弁慶が立ち往生するラストシーンが壮絶で,夜トイレに行けなくなったくらいです・・・。
続く「三姉妹」は,陰気なテーマ曲しか記憶に無かったのですが,その次の「竜馬がゆく」は結構見た記憶があります。
勿論,歴史事象など小学校低学年の私に分かるはずもなく,ただ北大路欣也演ずる竜馬の爽やかな行状だけが印象に残りました・・・(差川哲朗の近藤勇,高橋英樹の武市半平太というのも適役でした・・・。翌々年,この2人が「鞍馬天狗」で競演)。
その次は「天と地と」。
幼少期の上杉謙信(虎千代)の境遇に共感し,その後の凛とした生涯に共感しました・・・。
次の「樅の木は残った」はご当地ものだったにも関わらず,伊達騒動に関して全く知識を持たぬ私に理解できる代物ではありませんでした・・・。
そして「春の坂道」。
クラスの優等生の女子が毎週見ており,次は大坂夏の陣・・・とか言っているのを聞いて,見ては見たものの,柳生家が何たるやを知らぬ私に内容が理解できる筈もありませんでした・・・。


・・・で,近年の大河ですが,実に分かりやすい内容で,歴史ブームと言われる昨今の世相を反映したものとなっている,ということなのでしょうか・・・。
人物の描き分けが単純明快で,何とも漫画を読んでいるような感覚とでも言えばよいのでしょうか・・・。
かつての大河に感じられた,そして海音寺潮五郎や司馬遼太郎の作品に感じられた格調とか深みといったものが微塵も感じられないのは,時代と共に変化があって然るべきとはいえ,オールドファンにとっては残念なことです・・・。
そう思いつつも,次こそは・・・と期待して見るわけですが・・・。


1582(天正10)年5月。
お江は数えで10歳。
満で9歳。つまり小学校3~4年生ということになります。
この辺からして無理があるのに,家康から使いが来て上洛・・・,そして堺に逗留して本能寺の変事に遭い,家康と共に伊賀越えで脱出・・・・・・。
はっきり言ってあり得ません・・・・・。
織田家に対してあれだけ畏れ,気を遣ってきた家康が,世捨て人同然のお江一家に文など寄越すでしょうか・・・。
否,仮に信長の裁可があったにせよ,信長は家康を安土城に呼び,光秀に饗応役を命じたはずです。
ですから,どこに居たかも分かっていないお江に家康からの誘いがあり得るとは到底思われません・・・。
信長と光秀の問答も,途中で仰け反りました・・・。
「謀反でもしてみるか」
とは,何というベタな脚本でしょう・・・。
光秀に対して,丹波+近江召し上げ,但馬+伯耆(出雲ではないでしょう)切り取り放題・・・という命令が出されたという真偽はともかく,信長が光秀を山陰方面司令官に任命して高く買っていたことは明白ですが,光秀自身は生真面目な性格もあって,次第に追い詰められた末に暴発・・・といったプロセスが弱いと思いました。
例えば,この時期,織田家の宿老クラスが相次いで粛清されます。
林通勝・佐久間信盛といった譜代ともいうべき人々ですが,織田家の武将たちはワンマンな専制君主の信長にいつリストラされるか戦々恐々だったと思われます。
また,光秀は愛宕山に籠もり,里村紹巴を呼んで連歌の会を催したと言います。
有名な「時(土岐)は今 雨(天)の滴る(下たる)五月かな」という句を詠んだ時で,愛宕神社に参籠して,己の迷いを払拭しようとしたと言われる一件です。
おそらく光秀の性格としては,煩悶繰り返しての決断だったことでしょう・・・。
そのあたりをもう少し掘り下げてくれないと,本能寺の変は唐突すぎます・・・。


さらに伊賀越えで家康が堺を脱出して,浜松城へ逃れたのも,このあたりは織田家に恨みを持つ者の巣,というのも事実でしょうが(伊賀の地侍集団は,信長父子に殲滅させられた),来週は何とお江が光秀に対面・・・(絶句)。
本能寺の変が6月2日。
山崎の戦いが同13日。
光秀が城州小栗栖村で,土民の手にかかって討ち死にしたのが翌日,と考えると,仮にお江が伊勢まで脱出するには数日を要し,さらに上洛まで3日はかかる筈。
山崎の戦いの前に光秀に対面するのは不可能・・・と断じておきましょう・・・。


・・・で,上野樹里嬢,やはりのだめにしか見えません・・・。
北大路欣也の家康は,格好良すぎでしょうかね・・・。
後の伏線・・・という設定が見え見えのようで・・・。
ま,45分間飽きずに見られたし,根多にも困らないので,良しとしましょう・・・。

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2011/02/07 22:42
うさりん♪さん,今晩は。
そうなんです。
9歳ですよ。
無理がありありです・・・。
北大路欣也,恰好良いです。
私は,竜馬のイメージが強いので,昨年の福山龍馬は・・・・・でした・・・。

>「風と雲と虹と」

加藤剛の将門は,優等生的すぎるかと思いましたが,故緒形拳の純友は抜群に格好良かったです・・・。
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2011/02/07 22:39
yutakaさん,今晩は。
仰る通り,脚本家や演出可能での見せ所なのですが,さすがにお江が本能寺に幻となって出て来たり,伊賀の山中で突然馬に乗れるようになったお江の後ろに信長の幻が居たり・・・と,ぶっ飛びました・・・。
まあ,9歳の役をやっているあたりからしてかなり無理があるわけですが,私も娯楽として見ています・・・。
ただ,映像化困難と言われた「坂の上の雲」が,あれだけ格調高いドラマに仕上がっているのに対して,大河が拙劣で残念です・・・。
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2011/02/06 23:27
うわ〜9歳ですか!
私は北大路欣也好きなので、今日はうれしかったです♪
大河ドラマでは、「風と雲と虹と」が一番好きです〜。
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2011/02/06 22:44
戦国時代の有名な歴史物語は、色々な見方があるのでしょうか、
光秀の謀反に至るまでの様々な苦悩などは、作家や脚本等で随分変わって来るようですね

それにしても随分お詳しいですね~ お江の年齢から考えるとあり得ない話だったり
余りにも有名な歴史小説では、見ていても漫画的で、言葉の重みもなく現代的な話方で
昔の大河ドラマとは大分違っています、私も娯楽の一つとして楽しんでいるだけで
余り期待はしていないのです。




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