帰宅直後，PCの電源を入れ，同時にアンプのスイッチを押す・・・。
連動しているCDプレーヤーの電源が入り，古い機材特有のノイズがフロントスピーカーから漏れ始める。
やがて機材が暖まると，ノイズは止んだ・・・。

・・・と書いたが，若い方には違和感ありあり，というか聞き慣れない言葉が並んだのではないだろうか・・・。
アンプ－正確に言うとプリアンプだが，21世紀も10年以上経過した昨今，音楽を聴く媒介は一体どうなっているのだろうか・・・。
CDプレーヤーという言葉自体も，死語ではないだろうか・・・。

多分，音楽を聴くメディアの主流は，ラジカセ(否，コンパクトカセット自体が消滅しつつあるので，CDラジオというべきか?)とコンポと呼ばれるものではないだろうか・・・。コンポ－即ちコンポーネントステレオの略称と解釈するが，私が子どもの頃はオーディオブームの真っ盛りであり，バラコンポが主流だったと思う。
つまり，アンプ，レコードプレーヤー(30cmLPや17cmEP)，テープデッキ(オープンリールとカセット)，スピーカーをそれぞれ聴く音楽の特性に合わせて，バラで揃えていく・・・というやつである。
さらにアンプも，高級機はプリ，メイン，パワーと分割されていた。

状況が変わったのは，多分70年代後半からCDが登場した80年代初頭だったと思う。
ステレオタイプのラジカセは既に存在していたが，CDの登場と呼応するように，ステレオ装置が小型化していったのである・・・。
それらはミニコンポと呼ばれ，アンプ，CDプレーヤー，カセットデッキが一体化され，スピーカーだけが別・・・という代物だった・・・。
価格も内容もピンキリで，１万円台から数十万円台まであったように記憶している・・・。

・・・で，そうした中で，私は最新のメディアには目もくれず(CDプレーヤーは買ったが)，ひたすらバラのステレオで音楽を聴いていた。
ミニコンポは，機材が一体化しているので到底コンポとは認められず，80年代に流行したグラフィックイコライザーなるものにも興味は無かった。
余計なエフェクト無しで，原音に忠実に装置こそ良いもの・・・と思って来たからである・・・。
この考えは今も変わらない・・・。

相変わらず20年前のプリアンプに灯を入れ，CDプレーヤーで音楽を聴く。
アナログLPも数百枚死蔵している・・・。
スピーカーは，3WAYを６台，AVアンプに繋いで鳴らす(プリには２台で十分)。
できることならスピーカーは，往年の名機であるYAMAHAのNS1000か，DIATONEのDS66Zが欲しい・・・。
そういえば，松下はTechnics，三洋はOTTO，日立はLo-D，東芝はAurex，そして三菱はDIATONE・・・といった具合に，電器メーカーが独自のオーディオブランドを持って鎬を削っていた。
個性豊かな機器の揃った面白い時代だった・・・。

・・・ということで，今宵も30年以上使った(私は中古で手に入れたが)，30cmのウーファとリボン型ツィーターを鳴らす。
家族の冷たい視線が痛いが・・・。