Nicotto Town


koshiのお部屋分家


これで良いのか・・・

9.11から10年がたとうという時期,首謀者とされるウサーマ・ビン・ラーディン(أسامة بن لادن)氏が一昨日,パキスタン領内で米軍によって殺害されたという。
昨晩ネットでニュースを漁っていて気付いたのだが,執念深く行方を追っての結果のようだ・・・。


これは果たしてどのような意味を持つのだろう・・・。
NY市民は昨日歓声をあげて喜んでいたというが,そんなに目出度いことなのだろうか・・・。
四十七士の討ち入りのように,仇を討って目出度いということなのか・・・。


勿論,私はどんな理由が有ろうと無差別大量殺戮を認めるものでは無いし,9.11の根源がアメリカ帝国主義にある(当時,私の周囲はこの意見で持ちきりだったが)などという短絡論を主張するものでもない。
ただ今回のやり方と,その後のイスラム社会の方向性に疑念を持つだけである。
そもそも,帝国主義がすべて悪いと断じてしまうと,多かれ少なかれ歴史を善悪や感情論で判断してしまうことに陥り,公平・公正さや客観性がが失われてしまうと思う。
歴史とは,白か黒か右か左かでカテゴライズされてしまう程単純なものではなかろう・・・。
言ってしまえば,ギリシアの都市国家ポリスもローマも十字軍も,はたまたイスラム帝国も中国王朝もオスマン帝国も皆帝国主義を掲げて版図を拡大して,国力を増強した。
もっと細かく言えば,仏ブルボン朝だって英ランカスター朝だって,我が国の大和朝廷も鎌倉幕府も信長・秀吉・家康だって同様である。
他家の領国に勝手に侵入すれば当然民衆が割を食う。
そうした愚は幾度となく繰り広げられ,侵略にあった領国が抵抗をすることで騒乱は長期化していった。


西欧社会とアラブ諸国との関係はまさにそれではないだろうか・・・。
戦争というリスクを冒して,多くの犠牲の上に得るものは国益である。
朝鮮半島やヴェトナムでアメリカが血を流したのは,極東における共産圏拡大をおそれたからに他ならない。
南ヴェトナム国民の為に戦ったなどという建前論を本気にする者はもはや居ないであろう・・・。


但し,中東主国が朝鮮やインドシナと決定的に違うところは,何と言っても石油というお宝が有ることだろう。
リビアのカダフィなど,潤沢なオイルマネーを背景に傭兵を集めたし,先の大戦後ユダヤ人のイスラエル建国を米英が支援したのは,中東への共産主義の扶植を恐れたことと,豊富な石油資源を持つ中東諸国への西側からの楔の意味も有ったのだろう・・・。
そして何よりもアメリカが,ビン・ラディンを執拗に狙った理由は点大統領選への布石にして国民へのパフォーマンスであった点だろう。
何せ政権がしょっちゅう替わるどこかの国と違って,国家元首たる大統領はスターである。泥沼化したヴェトナム派兵で失敗したニクソン政権のような轍を踏むわけにはいかないのである・・・。


ただ,多くの識者が指摘するように,首魁の一人であるビン・ラディンの首を獲ったからといって,イスラム原理主義を標榜する者たちによる抵抗やテロは鎮静化するとは到底思われない。
そうした点では,今回の結末は裏目に出るのではないかと懸念される。
対欧米テロを進めるイスラム過激派にとって,今回のビン・ラディンの殺害は彼等の大義だと明らかに殉教となる。
つまり,対欧米の大義を更に与えたことになり,一時的に抵抗勢力は弱体化するかもしれないが,聖戦の意味合いは全く失われはしない。
願わくは,我が国を含めた諸国で対米・反米テロが起きないでほしいものだ・・・。


先に挙げた十字軍やオスマン帝国の例を見るまでもなく,文化対立によって多くの血が流されてきた。
それを現代に於いて行うことこそ愚の骨頂で,歴史から何を学んだとなる。
唯一の救いは,中東・北アフリカのアラブ諸国の民主化・現政権打破の動きが,アルカイダとは何の関係もないことだ。
今度こそ我が国も欧米も,国益だけではない援助によってそれらの国々の民主化の為に動くべきであろう。
リビアでカダフィの首を挙げただけでは問題は済むはずが無く,その後の国家再建・民主化推進こそ最大の課題であるのだから・・・。

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2011/05/05 22:04
meianさん,今晩は。
当然のことながら米政府の発表とアルカイダのそれは内容が大きく食い違っているようです。
死体の公式発表はないし,水葬にしたというのも怪しげです・・・。

イスラム教の教義は(キリスト教も排他的なところで似たような点がありますが),信仰しない者はすべて悪であり的ということですので,西欧や米は当然聖戦(ジハード)の対象となるということなのでしょう。
異教徒たる我々だって敵なわけでして・・・。
さらにはそれがシーア派,スンナ(スンニー)派と分かれて問題を複雑化させています・・・。
ですから,テロは大義であり正当な対抗手段ということなのでしょう。
迷惑な話ではありますが・・・。
アバター
2011/05/04 14:15
ビンラディンを殺さずに捕らえるには、米軍側も多くの死者を覚悟しないと無理、という判断でしょうが、
出来ることなら、逮捕して、裁判などで彼の主張を聞いてみたかったですね。

私が解らないのは、アルカイダが何故、どういう大義名分があってこの平時に<無差別テロ>という
非人間的行為を続けうるのか?ということです。
いろいろ読んでみても、納得のいくものに出会っていません。

戦争や争いごとは、自分達の利益を護るためかあるいは敵の利益を奪うためにやむを得ず発生する
ものだと思います。深く消しようのない恨みといったものを心に宿して、鬼畜の心境にでもならない限り
無差別テロという戦術は取れない・・・はずなのに。

ビンラディンは何を護るためにテロの世界へ身を投じたのでしょうか?




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