夏を聴く・・・
- カテゴリ:音楽
- 2011/07/05 20:39:32
昨日はあまりにも殺伐とした話題を提供してしまいましたので,今宵は格調高い音楽でぜひ癒されてください・・・。
夏のくそ暑いときに暑苦しい音楽を聴くのはマゾヒスティックだと思います。
時々,熱帯夜の中でそうした曲を聴きたくなるときも有りますが,7月に入ったばかりというにこうも蒸し暑いと,そんな気持ちは起きません・・・・。
こういう時こそ,アコースティックな楽曲が相応しい・・・と,思うのは私だけでしょうか・・・。
夏に相応しい曲・・・・・・短絡的ですが,メンデルスゾーンのその名もずばり「真夏の夜の夢」はどうでしょう・・・。
シェイクスピアの同名の戯曲に付けたものですが,夏の夜にアテネ郊外の森に足を踏み入れた男女2組のロマンスを中核に,小動物や妖精が登場して最後は大団円・・・というハッピーエンドの喜劇の付随音楽です。
序曲冒頭,木管楽器のコラールに乗ってせわしなく動く弦楽の速いパッセージは妖精の羽音でしょうか・・・。
やがて,全奏で晴れやかな第一主題が呈示されると,これから始まるであろう幻想的で楽しい物語の展開に思いを馳せることができます・・・。
同名の映画が99年に制作されましたが,冒頭にこの曲を使ったことで,わくわくするような高揚感を味わうことができました。
ぜひ,メンデルスゾーンが200年近く前に指揮者を務めたライプツィヒゲヴァントハウスのオケによるこちらhttp://www.youtube.com/watch?v=GNV_a0YlgEYをご覧いただきたいと思います(個人的には,ちょい重心が低いように思われますが・・・)。
これを作曲したのが17歳の時と言いますから,モーツァルトに匹敵する早熟の天才だったと言うべきでしょう・・・。
後は,何と言ってもエディンバラのホリロッド宮を訪れた際に霊感を得て作曲されたとされる第3交響曲「スコットランド」がお気に入りです。
メアリー女王の悲劇を暗示するような哀愁に満ちた作品ですが,スケルツォ(諧謔曲)に当たる第2楽章は,明るく爽やかな躍動感に満ちた佳曲となっています。
冒頭,弦楽の細かなパッセージに乗って人恋しい調べを奏でるクラリネットの音は,バグパイプを思わせます・・・。
ぜひ,こちらhttp://www.youtube.com/watch?v=7zGwsPAndQ8で居ながらにして,初夏のヒースの茂る草原にトリップしてみてください・・・(ミュンヘンのバイエルン放送局のオケのようですが,これももうちょい軽やかだと良いでしょうか・・・)。
不幸な生涯を送った作曲家が多い中,メンデルスゾーンは幸福な生涯を送った代表のように言われます。
ユダヤ人の富裕な銀行家の子として生まれ,高等教育を受けたのみならず早いうちからその音楽的才能を開花させ,バッハやシューベルトの曲の蘇演や職業的指揮者の草分け的存在になる・・・といった音楽史上に燦然と輝く功績も挙げました。
唯一の不幸は,38歳という若さで亡くなったことでしょうか・・・。
それとて突然のことだったので,残された楽曲には微塵の運命的暗さは有りません。
育ちの良さというのは,こうした上品で格調高い音楽にも如実に表れるものなのでしょう・・・。
やはり金と女の苦労とは,しなくても良い苦労かと・・・(をい)。
この後の第三楽章も,夏の昼下がりの草原をわたる風のような清涼感と哀愁が感じられる佳品です。
曲が曲だけに,スコッチをロックで傾けて聴きたいです・・・。
「真夏の夜の夢」は,ちょい元気すぎましたでしょうか・・・。
個人的にはお気に入りでして,昨夜は有名な「結婚行進曲」を含む全曲を聴いてしまいました・・・。
いやぁ・・・良いですねぇ,祇園祭の宵山・・・。
京都にお住まいの方が羨ましい。
ここ3年ばかり,年末は連続して京都を訪れています。
木屋町の柳小路,白川を越えて祇園から八坂神社への街並み,八坂の塔から産寧坂を経て清水坂へ・・・といった界隈を歩きたくなりました・・・。
今年ももうすぐですね・・・。
一度,祇園祭をこの目で見たいと思いつつ幾星霜・・・。
ご案内の2曲を拝聴してきました。
私は、軽快で哀調のある「スコットランド」が良かったです。
「真夏の夜の夢」は、ビールでも飲んでアルコールの力を借りないと
このパワフルな演奏を受け留められません。
暑苦しい空気に一服の清涼感を運んでくる音と言えば、
やっぱりこれなんですねえ。
祇園祭・月鉾・囃子
http://www.youtube.com/watch?v=jx13KvCWQkI&feature=related