「江~姫たちの戦国」-第29回「最悪の夫」
- カテゴリ:テレビ
- 2011/07/31 19:10:58
何だかんだ言いつつオン・エアを見てしまいました。
今日の朝日新聞朝刊のTV番組欄にある「試写室」は,第一回以来の「江」でした。
第一回の時は,ラストシーンで感涙必至と書いてあった例のやつです。
大河関係で言えば,76年の「風と雲と虹と」では,加藤剛演ずる平将門に対して「優等生的過ぎる」と評した舌鋒鋭きコラムとして記憶してきました。
今回は,非情な家康に反発するあまり斜に構えた向井理秀忠が見物・・・とありました・・・。
随分「毒」が無くなったものと思います・・・。
ま,第一回目も絶賛されていましたので,もはや昔日の面影は無し・・・ということでしょう・・・。
ファンには悪いですが,斜に構えた秀忠役の向井くんの演技ってそんなに巧いでしょうか・・・。
まず,北大路欣也演じる家康が全く非情じゃありません。
構えも押し出しも大きく,むしろ江に対して慈父のように接しており,どう考えても立派な大大名です。
もし家康の非情さに裏付けをするなら,正室築山殿と長子信康を無表情で斬るぐらいの演出がないと納得いきません。
それに,秀忠は江に対して只の一度を除いて一穴主義を守ったほどの律儀な男では無かったのでしょうか・・・(その只一度によって誕生したのが会津藩です)。
尤も,それが江を畏れてのあまり・・・となればまた別の話ですが・・・。
ま,言ってしまえば,江が縁談を断る理由は無く,家康が江を説得することも有り得ないでしょう。
天下人の命は絶対であり,それに従うのが理というものでしょう。
以前も述べたように,女性に伴侶を選ぶ権利はなく,大名クラスの姫君が他家の大名と旧知・・・ということも有り得ないでしょう・・・。
あと,江が自ら娘を養育しているようですが,それも無いのでは・・・と,思います。
当時(というか中世以降)乳母の権力は絶大で,やがて登場してくる春日局など最たる例で(きっと悪役なんだろうな・・・。明智系だし・・・),大名の子は乳母等の守り役が一手に引き受ける筈ではないでしょうか・・・。
豊臣と徳川の楔-これが江に与えられた使命であったことは間違いないでしょう。
ただ,秀吉が(番組で言えば茶々が)目論み通りにならなかったことは言うまでもないですが・・・。
娘の完子(さだこ)は茶々の猶子となったのは事実です。
でも,完子という名が存在したのは,慶長9(1604)に五摂家の一つである九条忠栄(後の幸家)に嫁して,従三位に任ぜられ北政所の称号を得て以降のこと,と記憶していますので,ただ単に姫君と呼ばれていたのでは・・・と思います。
因みに,九条家に嫁いだ完子の子孫は大正天皇妃の貞明皇后です。
つまり昭和帝の母・・・ということは,現在の天皇は江の子孫になり,織田・浅井・豊臣の血が入っていることになります。
このあたりは,歴史の妙というか皮肉と言うべきか・・・・・。
さらに完子と幸家の間には女子が何人かいて皆浅野家に嫁いだので(浅野は関ヶ原で東軍に付いたとはいえ,数少ない豊臣譜代でしょうから,この縁組みには長命だった先代北政所-寧々の意向もあったかも知れません・・・),浅野家にも江の血が残ったことになります・・・。
江の家系は徳川は勿論,公家である九条家,大名の浅野家,そして天皇家にまで残ったのですから,ある意味凄いことです・・・・・。
さて,予想通りひねた秀忠と来週は慶長地震で仲良くなるという設定なんでしょうか・・・。
秀吉腹心が三成だけなのに対して,家康腹心も本多正信だけなんでしょうか・・・。
草刈正雄は格好良すぎて腹黒い感じがしませんね。
ま,家康主従を良い人として描いて,秀吉へのアンチテーゼとしたのでしょうから当たり前でしょうけど・・・。
慶長地震・・・「地震加藤」は出て・・・・・来ないだろうな・・・。
清正(もとい主計頭)も正則(同清洲侍従)も嘉明(同伊予侍従?)も存在すらないので・・・。
コメント,ありがとうございます。
友申もありがとうございます。
ただ,こうしたものは,双方向の交流があって初めて成り立つものと思います。
ですから,ぜひブログに大河ドラマの感想や興味を持った歴史事象について載せてみてください。
私もコメント付けたいと思いますので。
ありがとうございます。
読んでいただくだけでも有り難いのに,コメントまでいただいて感謝の言葉もございません。
何だかんだ言ってブログ根多に困らないので,有り難い存在です。
今後も江の視点で,鈴木保奈美の一人称で語られるのでしょうが,もう少し史実の掘り下げと考証がしっかりしてくれたら・・・と,ついつい思ってしまいますが・・・。
私もここ30年ちょっとの大河ドラマを見直したりしていますが,古いもの程良い気がするのは私だけでしょうか・・・。
確かに,こうした時代を扱ったドラマは他にないので,期待したいのですが・・・。
ま,いつも根多を提供してくれるので有りがたく思っています。
凄いですよね。
私も系譜を辿って吃驚しました。
五摂家と朝廷の縁組みは,平安時代から有ったわけですが,それにしても凄い。
江は末代まで血を歴史に残すことになるということで・・・。
私がそれを知ったのも番組のおかげですね・・・。
だから、大河ドラマも忘れずちゃんと見てます^^
いろいろな話をしたいのでともだちにたってください(●´艸`)ヾ
幾度となくこの時代の話は読んだり見たりしていても、不勉強で覚えも悪いものですから、
あらためて此処で教わる事が多いです。
秀忠役の、イケメンは、今の所余り演技も巧くないし、軽い感じがします
2代将軍秀忠と言うイメージからは何か程遠い様に思われます。
そして江の子孫を辿れば大正天皇妃の節子様に行き着くとは凄いですね~
其処まで系図を調べられると益々このお話も興味が湧いて来てこの先が楽しみです。
江だけではなく、大河ドラマシリーズも見ていたりします♪
最近テレビでこういった時代ドラマ少なくなってきているので毎週楽しみに視聴しています(≧ω≦*)
江は、よほど政略結婚向き(?)の位置にいたのでしょうね。運命の然らしむるところ?
それ故か、系譜を辿るとすごいですね。
とても勉強になりました。番組より面白い。いや、番組のお蔭でもある・・・?