「坂の上の雲」-第10回「旅順総攻撃」
- カテゴリ:テレビ
- 2011/12/04 22:53:14
何とも待ち遠しい1年でした。
その間の大河ドラマ三作が悉く駄作に終わっただけに(ファンの方済みません),本作に対する期待は極めて大きく,文庫本で8冊に及ぶ原作を,ようやく3巻(つまり旅順港封鎖作戦と広瀬の戦死まで)まで,18年ぶりに再読しました・・・。
足かけ3年に渡る大作も,いよいよ最終章となります。
日銀副総裁高橋是清が,戦費調達の為に戦時外債の公募で,英京ロンドンにて金策に奔走。
投資家には兵力差による日本敗北予想,日本政府の支払い能力の限界,同盟国英国が建前として局外中立の立場で公債引受での軍費提供が中立違反となる懸念があったために,それは頓挫しかけます。
産業革命(これより100年前ですが)以降の労働者階級の貧困さが,一瞬浮き彫りになりますが,戦争というのは経済力の戦いであることを改めて知らされます。
高橋是清というと,どうしても受験日本史的には,226事件の凶弾に倒れた蔵相というイメージしかないのですが,書生時代は勝海舟の下に居たことは意外に知られていません。卓越した海外知識を持つ勝の下で,国際感覚を磨いたということでしょうか・・・。
秋山真之が陸軍との共同作戦にて203高地の攻略を献策したかどうかは浅学にして存じませんが,陸軍第3軍による正面突破を狙った2度にわたる旅順港攻略戦が,如何に熾烈にして悲惨なものであったかが描かれます。
要塞攻略戦は,上陸作戦同様只ひたすら前に進むしかありません。
同胞の死体を楯に,それを乗り越えていくしか無いわけです。
2度の作戦失敗(尤も第2回総攻撃では露軍に相当の損害を与えています)と,それによる乃木の苦悩,そして陸軍内部での批判。
それを元老山県有朋に抗議する長岡外史(陸軍大学での好古の同期)と,その直後に乃木に届く勅書。
苦悩する当時の日本の状況がひしひしと伝わります・・・。
それにしても,旅順要塞攻略戦の戦闘シーンと連合艦隊の偉容は圧巻でした。
CGを駆使しての結果でしょうが,実に良くできていたと思います。
これだけのことがやれるのですから,大河ドラマをもっときちんと作ってくれよ・・・となる訳ですが・・・。
勿論,黄海海戦と蔚山沖海戦が語られて終わりだったりとか,クロパトキンの遼陽撤退が,一瞬要塞からのもの・・・と思われたり(考えてみたら,要塞の司令官はステッセルか),突っ込みどころはありましたが,期待通りの出来で近年の映像作品では希有の成功例と言ったら褒めすぎでしょうか・・・。
キャストは,松たか子(血筋は抜群なのに・・・)を除くと,皆達者で貫禄も押しも十分だと思います。
柄本明の乃木,高橋英樹の児玉,江守徹の山県,渡哲也の東郷,的場浩司の長岡,米倉斉加年の大山,村田雄浩の伊地知・・・と,見事でした。
勿論,主役の2人に関しては今更述べるまでないでしょう・・・。
次回は,いよいよ第3次攻撃-二百三高地攻略でしょう。
連合艦隊と,いよいよ出撃したバルチック艦隊が,どのように輻輳して描かれるか,楽しみです・・・。
いえいえ,あれだけ政治と現代史に関して知識をお持ちなら,苦手なはずはございません。
私の方こそ,近現代史は範疇外で,無知蒙昧ぶりを曝出しております・・・(汗)。
サヨクは司馬遼太郎が嫌いでしょうから(本当に読んだのか?),気骨溢れる明治の男の生き様など認めるはずございません。
明治賛美=帝国主義→敗戦と短絡的に結びつけていますから・・・。
東郷は歴史教科書に載っています。
サヨクに非難囂々でしたが・・・。
いや~,予想はしていましたが,その通りの出来で素晴らしかったですね。
オールスターキャストが鼻につくという批判も有るようですが,各俳優たちの圧倒的な存在感は揺るぎないと思います。
大河なんて,ここ3年は稚戯に等しいのではないでしょうか・・・。
次回の第3次攻撃,いよいよ203高地の攻略ですね。
水師営まではどうなのでしょうね・・・。
実は歴史が凄く苦手でよくわからないんですが・・・(なかなか憶えられなくて)
今回は予約録画で見ます!
この頃はまだ、日本を何とかしようと本気で奮闘する気概のある政治家や
軍人が揃っていたとはなんとなく聞き知るのみ、
もちろん左翼学校(公立)ではその真意は教わらず
この配役に期待しつつ・・・。
待ってました・・・、「坂の上の雲」第3部の開始とkoshiさんのブログを!
内容充実、演じる俳優の実在感も言うこと無しでしたね。
高橋是清が勝海舟の下に居たというのは知りませんでした。やはり勉強になりますね^^。
次回はかの有名な二百三高地攻略戦、水師営まで行きますかね?