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koshiのお部屋分家


「引き分け」だってさ・・・

今まで,北方領土問題に触れたことは1度も無かったと思う。
イデオロギーに関する話題は,個人の思潮の問題でもあるしナショナリズムとも直結する場合が有るので極力発信を避けてきたのだが,今回はいろいろと思うところがあるので,少しばかり述べてみたいと思う。


ロシアという北方の大国を語る際に,歴史上避けて通れないのが南下政策である。
つまり高緯度にある北の国故に,不凍港の確保はロシア帝国以来の懸案であり,その為に多くの戦争・紛争を経てきたとも言って差し支えないであろう。
その端緒は,何と17世紀のネルチンスク条約まで遡ることになる。
これは,清との間に交わされた北満の国境に関する条約であるが,強勢を誇った清帝国の時代であったが故に,不凍港を獲得するには至らなかった。
ロシア帝国の南下政策は,バルカン半島,中央アジア,そして極東地域の3カ所で行われ,近年では1979年の旧ソ連によるアフガン侵攻も紛れもなく南下政策であり,さらには第二次世界大戦でドイツの侵攻を退けて戦後の東欧諸国を衛星化した鉄のカーテンの時代も,南下政策と捉えて良いのかもしれない。
そうした意味でも,泥沼化したクリミア戦争や清帝国の弱体化につけ込んだアイグン条約や続く北京条約で遂に念願の不凍港である尼港(ウラジオストック)を手に入れたことは,ロシアという国家の体質が躍如していると思う。
つまり,強引としか言いようのない手段で他国を侵し,絶対返さないという・・・。


我が国とロシアの最初の接点は,多分1792年のラックスマンの根室来航と間宮林蔵による樺太と黒竜江沿岸・沿海州の探査だと思うが(隣の国が国際世論で認められた日本海の表記を不当と言いがかりを付けて「東海」にしろ,と言ったように,間宮海峡の名を変えろという要求は無いのだろうか・・・と思って調べたら,ロシアではタタール海峡,中国では韃靼海峡と言うらしい),正式に締結された1855(嘉永8)年の日露和親条約においては,樺太は両国に境を求めずという内容だったし,続く1875(明治)8年の千島樺太交換条約において,樺太はロシア領で北方四島を含む千島列島は日本領と明記された。
つまり,北方四島は竹島や尖閣諸島と同様に,紛れもなく我が国固有の領土なのである。断じてロシア領ではない。
これに関しては,日本共産党ですら我が国の領土であることを主張しているくらいだ。


では何故,北方四島を含む千島列島がロシアが分捕ったのか。
それは,日ソ中立条約を一方的に破棄して,南樺太と千島(あとは満州)に押し寄せた囚人部隊の旧ソ連軍のせいである。
何のことはない,1945(昭和20)年1月のヤルタ会談後,アメリカの極東での利権独占を警戒するスターリンが,原爆投下後に突如として対日参戦(日本に分割案まで有った。マッカーサーが断固はねのけたので,朝鮮やドイツのようにならずに済んだのだが)。
押し込み強盗ややくざ以下のやり方で,南樺太と千島を分捕ったせいである。
一般に,昭和20年の8月15日に戦争は終わったとされるが,上記地域では20日を過ぎても戦争は行われていたのである。
否,戦争とは名ばかりで,南樺太や北満など殆ど蹂躙であった。


今回,大統領への返り咲きが決まったプーチンが,「引き分け」なる言葉を持ち出して,2島(歯舞・色丹)返還へ前向きの姿勢を示したという。
のだめ総理はそれを突っぱねた。
当然である。
歯舞・色丹は面積にして4島の7%に過ぎない。
「引き分け」など笑止である(軍事基地のある国後・択捉を返す言っても引き分けになぞならん)。
今回ばかりはのだめ総理に賛同するが,問題はこの後である。
今までのような及び腰外交ではなく,毅然とした態度での外交を望みたいが,望み薄であるのが何とも情けないところである・・・。

#日記広場:ニュース

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2012/03/10 22:13
meianさん,今晩は。
竹島しかり尖閣しかり,政府というか政権をとった第一党としては,触れたくないことなのでしょうね,正直言って。
国交のメリットを犠牲にするくらいの覚悟は,絶対に必要ですね。
有りもしないことを言いがかりのように突きつけてくる某隣国2つではありませんが,時には強硬な姿勢を示さないと嘗められっぱなしなのが,何とも歯がゆく悔しいです・・・。
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2012/03/09 15:29
こんにちは。
国際ルール違反だというカードしか持たず、恐る恐るの外交交渉では百年経っても解決しないでしょうね。
ロシアとの国交のメリットを犠牲にする覚悟がなければ…、それはナショナリズムに向かう…。
ニ・ホ・ロの活動や正論を言い続けて国際世論の支援を待つしかないような…。気休めに過ぎませんが。




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