好対照・・・
- カテゴリ:音楽
- 2013/06/12 21:54:46
この静謐感と透明感は何なのだろう・・・。
死の年の作品故か・・・。
澄み切った明鏡止水の境地にあったとは到底思われないのだが・・・。
心地よいアレグロの疾走も,ロンドの躍動も無い。
有るのは,人生の秋のような諦観と永遠なるものへの憧憬か・・・。
第2楽章冒頭のシンプルな音型から典雅な香気のように立ち上るのは,寂寥か孤愁か・・・。
第3楽章は,歌曲「春への憧れ」が引用される。
二度と巡ってこない春を感じていたのかどうか・・・。
無限なるものの輪廻・・・。
http://www.youtube.com/watch?v=2nqtVQGWQBQ
ピリスとピノック。
何とも豪華な組み合わせに,暫し聴き入る・・・。
部屋の照明を落とし,雑念を断って・・・。
やはり,特別な曲だ・・・。
シンプルなるが故の深遠さと難しさ・・・。
そして,K.503。
旋律美よりも構成感を際立たせたと言われる作品。
しかし,これもまた紛れもなくモーツァルトの傑作と思う。
少なくても,妙な副題のせいで,何故か人気のK.537よりは・・・。
冒頭の決然たるアレグロと弾力的なリズム。
第2楽章の悠然たる流れ。
終章には,何と後輩たるベートーヴェンの「ワルトシュタイン」ソナタのエコーまで聞こえるという・・・。
http://www.youtube.com/watch?v=c91sftnGkZY
我らが世界に誇る内田光子+ムーティ~ウィーンフィルという豪華な顔合わせ。
06年か翌年のザルツブルグ音楽祭のライブであろうか。
冒頭の底抜けに明るいCdurの和声の響きは,カンパーニャやソレントの浜辺で見る南欧イタリアの太陽のようだ・・・。
エッジの効いたリズムと強靱なカンタービレ。
そして,寸分の崩れも見当たらないソロ・・・。
85年のブレンデルとアバドの共演も見事だったが,今は断然これだ・・・。
こちらこそ,ご無沙汰しています・・・というか,亀レス済みません・・・。
内田さんの弾くK.503は絶品ですね。
モーツァルトの「皇帝」との異名を持つ珍しく雄渾な印象の協奏曲なので,男勝りのピアニズムは,ジャストフィットですね。
個人的には,「フィガロ」と同年の作であるK.488も大のお気に入りですが,最近はK.503です。
勿論,別格なのはK.595何ですけどね・・・。
以前菜穂子さんにご指摘いただいたように,この曲を聴く際には,部屋の照明を一段落とします・・・。
K.503よろしいですね。
内田光子の男性的なピアニズムには、心を鷲掴みにされます。。
聴き入りました。