Nicotto Town


koshiのお部屋分家


今宵はこれで決まり・・・

我が国で最も人気のない作曲家は,シューマンとメンデルスゾーンなのだそうだ。
随分前に,何かで読んだ記憶があるのだが,根拠があってのことなのかどうか・・・。
で,その不人気ぶりが,例によって天の邪鬼な私の琴線に触れたりする訳である。


特に後者の第2交響曲、
第1番「春」とか第3番「ライン」といった気の利いた副題も無いし,不人気たるに十二分な条件を備えすぎている・・・。
でもって,これがまた何とも素晴らしい交響曲なのだから堪らない・・・。


シューマンの交響曲には,マーラーのような途方もない絶叫も無ければ,弟分たるブラームスのような抑制・凝縮されたロマンの断片を見ることも無い。
先ず感じられるのは,古典的な様式感に裏打ちされた明るい情感である。
言ってみれば,ドイツの片田舎を歩いた際に感じられるようなグリム童話の世界観に相通じるもの・・・,例えば古城とか,瀟洒な街並みとか,ライン地峡帯の段丘の風景とかが自然に湧き上がってくる。
かつて,ローテンブルグからアウグスブルグを経てヒュッセンに至る所謂ロマンティック街道を南下したことがあったが,その沿線の風物に似合うのが,このシューマンの交響曲と思われた。


尤も,この曲を作曲した当時のシューマンは,ライプツィヒ音楽院に奉職し,精神疾患に悩まされていたので,同じドイツとはいえ私の訪れた南独ではなく,旧東独だったのだから,かなり矛盾しているのだが・・・。
第3楽章こそ憂愁に満ちているが,全編には明朗な風気が漂う。
これこそ,病める神経を内包していると言われるこの作曲家の多面性というか一筋縄ではいかない難しさを表しているのかもしれない。
明るくおおらかに全曲が結ばれる終曲に於いても,愁いに満ちた旋律が中間部に現れるのが何とも言えない・・・。


実は,シューマンの交響曲は,4曲しかないおかげでCD2枚に綺麗に収まるので,結構の数を持っていたりする。
本来なら,サヴァリッシュ~ドレスデン国立管とか,クーベリック~バイエルン放送響といった正統派の演奏をチョイスするのが本当なのだろうが,私としては敢えてバーンスタイン~ウィーンフィルという巨大な建造物のような演奏を採りたい。
シューマンに似つかわしくないという批判は有ろうが,緩急自在のテンポと濃厚な表情は,あまりに魅力的なウィーンフィルの妙技とも相俟って,無類の説得力を生む。
80年代中期の録画だろうが,コンマスはヘッツェルでもキュッヒルでもない。
発止と打ち込まれるアクセントの効いた見事なティンパニは,90年代前半に主席奏者だったローラント・アルトマンである(ビデオで見る限り,バーンスタインのシューマンの交響曲は,4曲ともアルトマンが打っているようだ・・・。ブラームスは第1のみのようだが・・・)。
最後の数小節を聴くだけでも,この演奏を見る価値があるというものだ・・・。
http://www.youtube.com/watch?v=BMW3n3mfKN4


個人的に,シューマンの交響曲なら断然この第2である。
勿論,決然たる序奏無しのアレグロで始まり,ライン地峡の明光のような光彩に満ちた第3番「ライン」や「交響的幻想曲」として着想された暗い情感に満ち満ちた第4も名曲と思うが,この演奏を知ってからは第2だ・・・。
同じページにあった,80年前後の録音と思われるバイエルン放響とのライブも,より溌剌とした名演なので,敢えてリンクを貼っておく・・・。
http://www.youtube.com/watch?v=HuSc0fz1WjQ
ユニゾンの多いシューマンの交響曲は,オーケストレーションが拙劣,などどかつては言われたものだが,こうした演奏を聴くと,妄言だったとしか思われない・・・。

アバター
2013/07/07 18:35
うさりん♪さん,今晩は。
ちょっと聴きに楽しいものではないでしょうが,味わいがありますね。
交響曲2~4番は,個人的に好きです。
メンデルスゾーンも良いですよね。
Vn響も真夏の夜の夢も,交響曲3,4番なんか外せないですし・・・。
アバター
2013/07/05 13:34
シューマンは地味にいいというか、味があるというか、じっくり聴けばよさがわかるというか。

メンデルスゾーンも人気ないんですか?
私はけっこう好きですが〜。




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