Nicotto Town


koshiのお部屋分家


「民主化」の果てに・・・

エジプトのムバラク政権が倒れたのは,確か2011年の初め頃と記憶している。
東日本大震災の少し前のことだ。
北アフリカから中東にかけて,燎原の火の如くアラブ諸国の民主化が進み,隣国リビアのカダフィ政権もその年のうちに終焉を迎えた。
世に言うアラブの春である。
チェコに共産主義政権が誕生したプラハの春(本来は国際音楽祭の名称だったのだろうが)に引っかけたネーミングが,何とも垢抜けない・・・と思ったら,私の予想通り,大変なことになった・・・。


私が,民主化と書いたのは,全く正鵠を射たものではなく,民主化の名のもとに従来の政権を倒しただけのことだから,民主化とは言えないだろうし,今回のエジプトのように結果的に軍部の台頭を導く結果になったのだから,実に皮肉である・・・。
ムバラク政権が倒れた際に,私はこれからが大変だと書いた記憶があるか,残念なことにその危惧が的中してしまった・・・。
軍が現政権を倒した・・・と言えば聞こえはよいかもしれないが,要は軍事クーデターを起こして,憲法停止・大統領の権限剥奪したということだ。
同国外相は,「クーデターではない」と弁明していたが,どう考えてもクーデターだろう。


北アフリカから中東,アラビア半島には,多くのアラブ系部族が割拠し,それらが利権・覇権を競っていたと思われる。
映画「アラビアのロレンス」には,アラブの独立に力を尽くしたロレンスが,己の利権のみを主張する族長会議に失望し,失意のうちに英国へ去る様子が描かれていたが,そうした部族を統括するには,善悪は別として,カダフィのような強烈なカリスマを持った人物でないと務まらないのかもしれない。
しかし,独裁者は国民の支持を失い,国民は独裁者を断罪した。
国土は荒れ,立て直すには海外資本の力が必要となる。
しかし,それもある程度の域を超えると,欧米諸国にアラブ経済が食いものにされる怖れがある。
かといって,海外からの援助や資本提携をシャットアウトすれば,元の遊牧民の集団に過ぎなくなろう・・・。
荒れた国土のインフラを整備し,法政を整え,子どもには教育を施し・・・といった,長期展望に立った国家再建をしなければならないアラブ諸国にとって,今回のエジプトのクーデターは,痛恨事ではないだろうか・・・。


いつの時代も,安定しない政権のツケは国民に来る。
4,000年以上前,つまり旧約聖書の時代から喧嘩してきた民族ではあるが,だからといって国民に負債を強いる・・・というのは,酷いを通り越している・・・。
願わくは,一刻も早くクーデターが沈静化し(シナイ半島とスエズに非常事態宣言が出されたというから,難しいを通り越しているだろうが・・・),安息と平和が訪れることを願って止まない・・・、。

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2013/07/14 15:50
詩蘭さん,今晩は。
政治にも国際情勢にも西洋史・東洋史にも疎い私が書くと,この程度にしかならないという一文に対しまして,過分なコメント,感謝の言葉もございません。
本当に有難うございます。
仰るように,イスラム法を遵守せんとすれば,自由主義社会とは相容れないものとなってしまうところに,今回の「アラブの春」の盲点があるのでしょうね。
1,000年以上の年月をかけて培われてきた回教の精神がどのようなものであるか,「異教徒」たる私には絶対理解し得ないことなのでしょうが,そうした人々も満ち足りた生活ができるようになるためには,インフラや教育の整備を進めなくてはならず,それこそ国家百年の計で国造りを進めていく必要性を感じます。
古くはローマやモンゴル店オスマン帝国,近世では西欧諸国に弾圧・搾取され,所謂愚民政策に遭った中東やアフリカ諸国の発展こそ,国際社会の持つ大きな課題だと思います・・・。
ご紹介いただいた本,実に面白そうですね。
今からAmazonでみてみたいと思います。
炎上の具合も・・・
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2013/07/14 15:37
ユリエさん,こんにちは。
お読みくださいましてありがとうございます。
今回は,苦手な国際情勢や政治というカテゴリもありまして,さほどの長文になっていませんし,文章が続きません。
ついついのって書いてしまうと,それこそとんでもないことに・・・。
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2013/07/14 15:35
みるるさんこんにちは。
為政者は困った者ですが,社会の秩序とい点では,紛れもなく日本に生まれて良かったと思います・・・。
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2013/07/06 22:58
夕涼みのニコ散歩の寄り道で、コッチでもゴアイサツ^^

アラブの春で民主化したはずが、結果、イスラムの原理主義に近い側が多数派をとってしまったせいで、
イスラム法で世俗法を縛ることになってしまい、ただ独裁というだけでなく、そもそもからして
非民主的な政策が推し進められてしまった、、結局、民主化は抑圧され、再革命へ……という面もあるんですね。
イスラム法に忠実に準拠しようとすると、ラマダーンや女性の活動制限など
日常の全てに関して その法を貫こうとするものなので、普通の自由主義的生活と相容れなくなっちゃうのですね。

でも今回のクーデタ、軍も民主派も共闘したけれど、敵の敵は友、という気配も含んでいるようだし、
イスラムを信仰する人々とそうでない人々が、共に「安息と平和」を維持できるシステム構築は、大変そうですね。。

冬に読んだ『ふしぎなキリスト教』、尊敬する社会学者の大澤真幸さんと先輩の橋爪さんの対談本なのですが、
とても面白かったですよ。西欧音楽に造形深いコシさんにも、すごく興味深い話だと思います。

西欧文化を支えたキリスト教…信仰というより、近代になって、信仰が薄れた後も、むしろそうなってからこそ、
キリスト教が2千年もかけて育んだ西欧文明の特性…それがルネサンス以後の近代美術・音楽・科学そして資本主義や自由と人権の理念や民主主義を育んだ仕組み…を分析している。
イスラムや日本や中国、インドなどと対比しているのだけど、
世界史教科書的な 事実や傾向の対比なんかじゃなく、
文化・政治・学問・生活など様々な面において、それを生む構造の分析で、
それは、平均律や遠近法という高度に厳格に構成された枠組みで芸術を生む 独特の文化の解明となっています。
Amazonでは、キリスト教の一部の原理主義傾向の宗派から攻撃され炎上気味なのだけどw
逆にその炎上効果も加え、この手の本では異例の20万部以上を売り、昨年の「新書大賞」みたいなの受賞しているw

お時間あるとき、ぜひ。^^

ついでに宣伝しちゃえば、同じ二人に同門の社会学者宮台真司を加えた座談本『おどろきの中国』、
これも抜群に面白かった。(宮台は態度や語調が好きでないのですがw時おり鋭い分析は光ります)
こちらは中国を叩かないと喚くばかりの幼稚なウヨが騒いでるけどw
分析自体はとても面白く、色々考えさせてくれます。
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2013/07/06 22:56
こんばんは。これだけ書けば疲れますね。
おつかれさまです。
後でゆっくり読ませてください。
アバター
2013/07/06 20:47
国民が安心して毎日を暮らせるような、為政者を望みます。




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