Nicotto Town


koshiのお部屋分家


關西紀行,其之拾弐:南都六宗・・・

近鉄駅前バスプールから,バス乗車。
2つの鉄道駅となら町の南側を回る環状ルートが2つあり,奈良公園へは時計回りを,JR駅や三条通方面は,反時計回りが便利ということになる。


街の規模も大きくなく(否,長安を参考にした平城京自体は,とんでもなく大規模な都市だったが),人も京都ほど多くないので,とにかく快適な旅が楽しめるのが奈良だ。
興福寺と国立博,県庁を見ながら東大寺前を右折して,降車した破石町のバス停は,閑静な街並みの中だった。
そこからは,市松模様の歩道を街路樹の中,北へ向かう。
車通りも多くなく,観光客の姿もなく,静かな街歩きを堪能しつつ,新薬師寺を目指した。志賀直哉の旧宅を左に見てすく,春日大社の森が左手に迫る。
そこを右折して,やや急な坂を上ると,新薬師寺はすぐだった。
斜め向かいに,不空院なる寺があり,なかなか味わいのある構えだった。
南門から入る。
新と名が付く以上,西の京にある薬師寺よりは新しいのは確かなようで,薬師寺が白鳳時代の建立と伝わるのに対して,こちらは奈良時代のものだ。
官立の寺院であるのは確からしいが,一体いつ誰が建てたのかは,史料がないという。
一説では,光明皇后が,夫の聖武帝の病気平癒のために,天平19(747)年に建立したと言われるらしいし,逆に聖武帝が,皇后の眼病平癒のために天平17年に・・・という説もあるらしい。
2年の違いなど,別にどうでもよいことで,何よりも素晴らしいのは,金堂が当時のものであることだ。
天平の甍を伝えるのは,何も東大寺だけではないのである。
こちらは,修築を経てはいるものの,当時の姿のままというのが,何とも素晴らしいではないか・・・。
1,200年以上の昔,我等の先人たちは,このようなものを後世に残してくれた。
それを見て,誰も知らない天平の昔を偲ぶことができるのである。
こんな有難いことはない・・・。


またしても余計なことだが,我が家の菩提寺は浄土宗である。
京都の知恩院が総本山で,開祖は法然上人である。
鎌倉仏教の魁でもあるだろう。
小学生の頃,法然-浄土宗,親鸞-浄土真宗(一向宗,戦国時代に本願寺を中心に大流行),栄西-臨済(禅)宗(鎌倉幕府により庇護),道元-曹洞(禅)宗,日蓮-日蓮宗(法華宗),一遍(時宗。踊り念仏)・・・といった具合に,暗記したものだった。
では,それ以前の宗派は・・・となると,平安初期の天台宗(最澄-伝教大師)と真言宗(空海-弘法大師)となるわけだが,ではそれ以前の奈良期はどうだったのか・・・ということになる。
東大寺や興福寺は,宗派に属するのか・・・ということになる。
言ってしまうと,奈良時代には南都六宗(ろくしゅう,りくしゅう)なる宗派があった。
否,南都という言葉自体が,平安京から見た奈良を示す言葉故に,平安時代になってからの呼称であるようだが・・・。
因みに,この南都六宗は,高校時代に受験対策として暗記した(出なかったが)。

法相宗(道昭629-700,白鳳時代の人だ)-興福寺,薬師寺
倶舎宗(道昭629-700) -東大寺,興福寺
三論宗(慧灌,恵灌とも。生没年未詳の高句麗の僧。625年来日。住元興寺)-東大寺南院
成実宗(道蔵,経歴未詳)-元興寺,大安寺
華厳宗(良弁689-774,石山寺建立に関わった)-東大寺
律宗(鑑真688-763)-唐招提寺

といった具合である。
開祖と寺がダブっていたりすることから,どうやら宗門対立するような宗派ではなく,互いに学問を深めていくような学派的な要素が強かったと思われる。
南都六宗の対義語が,平安二宗なのだそうだ・・・。


そう言えば,室町時代の京都五山とか鎌倉五山とかも必至で暗記したものだった。
結局入試に出た記憶がないので,どうでもよいことを覚えたことになるのであるが,たまには,こうして役に立つこともあるわけだ・・・。
でもって,我が街に「仙台五山」というのもあるのは驚いた。
勿論,藩祖公の入封以降のことだから,江戸期ということになるのだが,藩祖公は,故地である米沢から禅寺をこちらに移した。
そして,五山のある地は,市街地北部の丘陵地帯の麓なので,京都宜しく北山と命名された。
私の入学した中学校は,その仙台五山・北山五山の近くで,我が家はさらに北西に上ったところにある・・・。


閑話休題。
どうも,こうして脱線して,余計なことを話したがるのが悪癖・・・と言うより病気である。
天平の甍を伝える新薬師寺金堂前で,老夫婦にシャッターを押してくれと頼まれた。
一眼を持って歩いていると,昔からこのように声をかけられる。
残念ながら,老若問わぬカップルが多く,おねいさんに声をかけられたことが殆ど無いのが癪ではあるが(爆),今はこうして家族連れ故に,さらに安心して声をかけられるということか・・・。
でもって,バックアップをかねて,必ず2回以上シャッターを押す。
特に,枚数を気にしないで撮影ができるデジカメなら尚更である。
人の使っているデジカメを手にすると,ついつい設定(画質やピクセル数等)を知りたくなるが,それこそ大きなお世話様となるので,頼まれたとき以外は絶対しないが・・・。
只,コンデジで6メガピクセルで撮影したら,HDDがパンクするだろう・・・。
私は,せいぜい2メガである・・・。


・・・ということで,新薬師寺の金堂に入る前で終わってしまいました。
続きは,いつ・・・??

新薬師寺金堂等の画像は本家です・・・。
        ↓
http://blog.goo.ne.jp/fw14b_2005/e/aa5d11752292a7d86ee79e5e3718349b





Copyright © 2024 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.