關西紀行-其之伍「南都への道」・・・
- カテゴリ:レジャー/旅行
- 2015/01/12 20:07:18
京都駅の烏丸口(ガメラが破壊したホテルグランヴィア京都の真下)を出ると,駅前のバスプール,京都タワー,そし烏丸通りと駅前の賑わいに,京都の空気をたっぷり感じることができるのだが,今回の目的は洛中ではなく南都だ。
故に北の烏丸口ではなく,南の八条口近くの近鉄乗り場付近で食事をとることにした。
新幹線ホームの真下なのですぐに着くし,近鉄名店街「みやこみち」が便利だ。
但し毎度のことながら,人の多さに閉口する。
京都は何度も行きたくなるし,私如きが百万の駄弁を労しても語り尽くせぬ無尽蔵の魅力を湛えているところだが,如何せんこの人の多さには毎度毎度ため息が出る。
以前から,洛中で最も好きな界隈として,八坂神社から円山公園へ抜けて,大谷祖廟をかすめて八坂の塔の下を通り,高台寺の前から産寧坂へ抜け,松原通から清水坂へ登り清水寺へ至る東山の道が挙げられるが,実はかれこれ6年程行っていない。
理由は唯1つ,上述の通りとにかく人が多いからだ。
特に高台寺界隈は閑静な寺町という雰囲気だったのに,いつの間にやら寧々の道なるものもできており,人力車があちこちに止まり,京都らしからぬ小洒落た店も軒を連ね,かつての情緒は失われつつあった。
同様のことが嵐山界隈にも言えるが,昨年訪れた際はそこまで人出は多くなかったと思う。ま,夕刻だったということもあろうが・・・。
近鉄名店街「みやこみち」はお勧めだ。
手軽に食事を取ることができる店が並んでいるし,京土産もたいがい揃う。
また,地場産品も豊富で,安い土産を数多く買うには便利であることこの上ない。
迷った挙げ句,お昼前に食事を済ませて,3年前に宿泊したホテル近鉄京都駅の前を懐かしく思いながら通過する。
トレインビューの,良いホテルだった。
何よりもアクセスの良さが絶妙であることは言うまでもないし,同じステーションホテルである上述グランヴィアに比べても安い。
そして当時は,開業二ヶ月も経たないうちに泊まったので,ぴかぴかだった。
ま,朝食のビュッフェのメニュー等に注文は付いたが・・・。
京都から奈良へ向かうには,やはり近鉄が便利でリーズナブルだと思う。
特に,日帰り往復+市内バス乗り放題で1,380円は破格値だ。
唯今回は,奈良市内に宿泊するので,かつての京都をベースにした南都行きのような訳にはいかず,3日間で3,000円ちょいで往復+吉野までと市内バス乗り放題・・・というのを検討した。
で,一体何処で買うのか田舎者としては全く分からず,JRでいうみどりの窓口に相当する切符売り場へ並んだ。
多分定期券購入で並んだ人の後に付いたので,およそ場違いな感は否めなかったが,窓口の若い職員は,懇切丁寧に教えてくれた。
3日間奈良にいて,飛鳥に行くとしても現地のバスは含まれておらず,元が取れない可能性が高いということだったので,通常の切符を都度買って十分という結論に達したのだが,さすが過当競争が激しい關西の私鉄である。
昨年の京阪山科駅の職員もそうだったのだが,とにかく一様に親切である。
間違った場所に並んだら,きつい声で咎めてくるJR東京駅の女性職員とは大違いである。また,最終日にJR奈良線の車内で老眼鏡を拾ったので,ホームでかっちりとしたコートに身を包み,パイロットケースを持って歩いていた車掌とおぼしき職員に届けたら,
「ありがとうございます」
と,無機的なひと声が帰ってきただけだった。
何処で拾ったとか,一切聞かず(こっちから心配で言ったくらいだ)面倒な範疇外の仕事が増えた・・・と言わんばかりの態度がありありと分かり,残念な思いをした・・・。
故に,京阪と近鉄は親切。
今回もその思いを強くした・・・。
京都-奈良間は,近鉄が便利。
その考えは今も変わらないが,やはり私鉄に比してJRの料金が高いことが問題だろう。
200円近く違うと,つい近鉄の急行に走ってしまう。
但し,今回は直行便ではなく,大和西大寺で乗り換えることになったのだが・・・。
近鉄のネックは,奈良直通便の少なさと所要時間,そして旅情には程遠いロングシートだろう。
500円出せば,ゆったりとほぼ貸し切り状態の特急に・・・という手もあるが(かつて2度乗った),今回は奈良からの帰途に敢えてJR奈良線のみやこ路快速(下りは大和路快速)を利用した。
東海道本線の新快速に使用した221系なので,転換式クロスシートで4人での旅行には最適だし,ゆっくりビールを飲むこともできた。
近鉄特急利用よりは,300円程安くなる・・・。
ま,どっちを利用するかはTPOに応じて・・・ということだろう・・・。
近鉄8000系,橿原神宮前行きで京都を後にする。
元旦に訪れた東寺(教王護国寺)を探したが分からず,昼食後の眠気もあって大和西大寺の手前の高の原あたりまで完全に意識朦朧で,昨年に伏見桃山通過時に思った城下町の町名や日本酒についても全く考えずにほぼ爆睡。
乗り鉄の友人には勿体ないと言われるのだが,5回目だし悪いけど景色として見るべきものがない・・・と判断したので,京阪との乗換駅である丹波橋付近で,
「何で明治天皇陵は,伏見なんだ・・・。先帝(昭和天皇)は多摩御陵なのに・・・」
などと思った程度だった。
大和西大寺で橿原神宮行きを乗り捨て,同じホームに居た奈良行きに乗り換える。
3年そうだったように,転換式クロスシートの車両を期待したのだが,残念ながら同じ8000系だった・・・。
その3年前に行った広大な平城宮跡を横断し,再現された朱雀門に平城の昔を偲ぶ。
1年ぶりの南都は好天のようだ・・・。