Nicotto Town


koshiのお部屋分家


“Memoriy of Hungaroring”

F1は夏の欧州ラウンド真っ最中です。
先週のアイフェル山中のニュルブルクリングでのドイツGPから今週はブダペスト郊外のオンガロリングへ。
ファンにとってはたまらない中欧ダブルヘッダーです。
そこで,FS3直前のこの時間,ついつい昔語りに走ったりします・・・。


オンガロリンクがGPサーカスに組み込まれたのが旧ソ連崩壊前の86年ですから,旧東側で行われた唯一のGPということで,かなりのエポックだった記憶があります。
ま,ロシア人のドライバーも出てきたし,時代が確実に変わったということでしょう。
そういえば,ご当地ドライバーでミナルディからデビューしたゾルト・バウムガルトナー(英語表記だとショルト・バウムガートナーか?)はどうしているのでしょう・・・。


このオンガロリンク(近年はハンガロリンクと表記されるようですが,私としては80年代の表記にします)には,個人的に幾つかの思い出があります。
92年は「無冠の帝王」と呼ばれたナイジェル・マンセルが悲願の戴冠を決めました。
それも,ピット作戦の失敗で(ウィリアムズは伝統的にピット作戦が下手)入賞圏外に落ちてから,抜きどころのないコースでオーバーテイクショーを見せて2位入賞してのチャンピオン決定でした。


翌93年。
年俸交渉のもつれやチームの方針への反感から,マン太郎は2度目のF1引退を表明。
1stドライバーには,マンセル在籍時に契約成立していたアラン・プロスト(仏)が座り,2ndとしてテストドライバーだったデイモン・ヒル(英)が前年末に抜擢されていました。
結局F1ラストイヤーとなったこの年のプロストの活躍は目覚ましく,開幕の南アに始まり,途中セナの神がかり的走りに脅かされたものの,サンマリノ,西,加,仏,英,独各GPを制覇。
一方のヒルは,予選ではプロストを凌駕する走りを見せたものの,地元英国GPではトップ走行中に最速ラップを叩いた直後にエンジンブロー,続く独GPでは同じくトップ走行中あと2周というところでリアタイヤがバースト。
その2つ前の仏GPではPPを取りながらチームオーダーで2位・・・と,リーチを欠けても上がれない状態が続いていました・・・。


スターティンググリッドはPPがプロスト,隣にヒル。
シューマッハー(独ベネトン・フォード),セナ(伯マクラーレン・フォード),パトレーゼ(伊ベネトン・フォード),ベルガー(墺フェラーリ)・・・と続きます。
ところが,フォーメーションラップに出る際にプロストがエンスト。
実質上ポールスタートとなったヒルは絶妙のトラクションでスタートダッシュを決め,ベルガーとの接戦を制したセナが2位に浮上。
低速コースのオンガロでは,いつものようなウィリアムズのマージンは感じられず,セナは虎視眈々と首位を狙います。
ところが,セナのマシンにスロットルトラブルが起き,18周目にストップ。
同僚のマイケル・アンドレッティ(米)も,同様のトラブルで2周前にストップ。
さらにシューマッハーが大カウンターを切ってコースアウト。
ヒルを脅かす存在が次々に潰えていきます。
最後尾スタートのプロストは一時4位まで浮上したものの,リアウイング(この年,低速サーキットのトレンドとなったメゾネットウィング)のトラブルで再び最下位に落ちます。
さらにプロストのウィング修理作業がヒルのタイヤ交換と重なり,チームは1位を快走するヒルを優先させ,プロストはマシンをピット脇に移動されしばし待たされるという屈辱を味わいます。
その結果,真夏の陽光がハンガリー大平原に映える中,ヒルが悲願の初優勝。
2位には,ベネトン移籍後初表彰台のパトレーゼ(これが最後のボディウムとなった)。
3位にはワーウィックとの接戦を制したベルガーが入りました。
プロストは修理完了後最後まで走り続けて,最後尾でゴール。
FLを叩くなど,チャンピオンとしての矜持を見せつけて,日本のファンを増やしたと思われます。


ヒルとオンガロリンクの因縁はこの後も続き,引退の年まですべて入賞という記録を残すことになります。
初代モナコマイスターであった父グラハムのようにモナコでは勝てなかったヒルでしたが,オンガロリンクマイスターの称号が有るならば,ヒルにこそ与えられるべきでしょう。
この年のヒルは,これで勝ちの味を覚えたのか,続くベルギー,イタリアと快進撃を続けます。
そうした意味でも,モニュメンタルなGPでした。
また,最速のウィリアムズ・ルノーFW15Cというマシンを駆っての優勝に,勝って当然という疑問符もヒルに対して付けられる契機ともなったGPでした・・・。
しかし,F1へのステップの本流たるカートからの英才教育を受けず,親の七光りとは無縁で(逆にチャンピオンの二世というプレッシャーが有った筈),マイナーフォーミュラーから地道な努力を続けた結果,与えられたチャンスを最大限に生かしたヒルの勝利にけちは付けられないと思います・・・。


そして3年後の97年,さらにドラマティックなGPシーンが待っているとは,誰もが予測し得ませんでした・・・。
そのあたりもいずれ語ってみたいものです・・・・・。

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2011/08/06 17:45
まさるさん,今晩は。
本当にあの頃のFは面白かったですね。
私としては年代の近いヒルに,完全に感情移入していました。
特に,父グラハムが絵画に手を出していたり,飛行機事故でチームごと消滅した際に保険をかけていなかったり・・・と,残されたベティ未亡人をはじめとする家族は,多くの苦労をしたと思われます。
そうした中で,二輪ライダーから独自の道を歩んでキャリアをたたき上げてきたデイモンの浪花節人生に大いに共感してきました。
93年のスパというのも,印象的なレースでした。
これについても語りたいものです・・・。
勿論,97年オンガロ,98年スパ,99年シルバーストーンも・・・。
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2011/08/06 17:40
meianさん,今晩は。
この手のことを書かせたら,はっきり言って幾らでも書けます。
殊に,92年から99年までは,最もF1に感情移入した時期ですから・・・。
今回も,字数制限で刎ねられました。
本家のがノーカットです。
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2011/07/31 20:54
昨日コメしようと思ったのですが、あまりの疲れに轟沈(爆)
いや~懐かしいです93年シリーズ!!
緒戦の南アでプロストが完勝し、シーズンを独走するかと思いきや、ブラジル、ヨーロッパの気まぐれな天候に翻弄されセナに先行を許し、サンマリノ、スペインで流れを取り戻したと思えば、モナコの勝利の女神に振られ・・・。
とまぁ、前年とはうって変わって予測が難しくエキサイティングなシーズンでした(笑)
モナコ後はプロストが4連勝して安定期に入って迎えたハンガリーGP。
イギリス、ドイツで勝利寸前までいきながら、レース終盤に連続リタイヤとゆー屈辱を味わったヒルがついに歓喜の初優勝!!
ヒルの地味だけどしぶとい持ち味がよく出ていた、初勝利だったと思います。

次回予告は97年ですか!?
アロウズ、ブリジストン、ヤマハの初優勝がファイナルラップで・・・・
楽しみにしております☆
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2011/07/31 11:50
おはようございます。

F1の栄光と苦難に満ちたドライバー人生に、乾杯!・・・です。
koshiさんのF1への想いが伝わってきました。




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