Nicotto Town


koshiのお部屋分家


加越紀行-其之七「北の海」・・・

遅い時間に夕食に出て,10時過ぎに宿に戻った。
宿は,楽天トラベルで取ったのだが,朝食付きDXシングル4,400円という殆ど破格値だった。http://www.greens.co.jp/kanakata/
ま,ストリートビューで確かめると,外見はそれなりだったし,寝られればよいので安いに越したことはないのだが,期待せずに行ったら,やはりそれなりだった。
家族で泊まるなら,否若い頃に彼女とでも泊まるのなら,もっともっと高級なところを奮発したであろうが,1人だから十分である。
さらに,交通至便で歓楽街にも近く,金沢城や兼六園も徒歩圏内という場所も良い。
無線LANの接続に少々手間取ったが,無事開通。
食事をして軽く飲んで・・・と思って,北陸随一の歓楽街である片町を一回りしてきた。食したのが,チャンピオンカレーなのだから,全くをもって質素というか私らしいのだが,B級グルメは侮りがたい。
数百円で腹が満ちるのだから,十分満足である。
片町は,我が街の国分町程怪しくない。
ポン引きの兄ちゃんも居ないし,怪しげな構えの店も無い。
せいぜい裏通りで,中国人とおぼしきおばさん,もといおねいさんに声を掛けられたことぐらいだろう・・・。
寝酒用のビールを買って帰って,入浴してトリガーを引いた後,泥のような睡眠に落ちるのに,殆ど時間は掛からなかった・・・。


翌朝,例によって早々と目を覚ます。
残念なことに,危惧していた雨である。
予報が当たってしまった訳だが,かつて松江の街歩きで感じたように,古い城下町には雨が似合う・・・と,勝手に自分を納得させて,簡単な(と言っても,十分な内容・量のビュッヘだった)朝食を済ませた。
このホテルのメリットは,好立地であることは勿論だが,ウェルカムコーヒーが滞在中飲めることだ。
勿論,部屋への持ち込みも可であるから,この日の朝もいただいて来た。
9時近くまで,地図とネットで情報を仕入れつつコースを決める。
尾山御坊,もとい金沢城趾から兼六園を見て香林坊へ戻り,長町武家屋敷群を見て金沢駅へ・・・と,おおよそのルートを決めた。


傘を差してチェックアウトする。
昨晩は,気温20℃程あり,上着無しで歩けたくらいの暖かさだったのだが,今日は然程気温が上がらず,ブルゾンを着込むことにした。
先ずは,香林坊を目指す。
それにしても,この片町から香林坊にかけての賑わいはどうだろう。
十二分に都会であり,垢抜けている。
ある路地に入り込んだら,その瀟洒な雰囲気に圧倒されてしまった。
本当に良い街である。


殿様である前田家以外で,金沢出身の有名人って誰だろう・・・と考える。
金沢四高(現金沢大学)にて青春時代を過ごしたのは,作家である井上靖であるが,生まれは確か旭川で,豊橋に住んだ後で伊豆半島の天城湯ヶ島で少年時代を送ったと記憶している。
昨日,金沢城趾に続く中央公園に,石川四高記念文化交流館なるものを発見していたので,井上靖関連のものが無いかどうか,寄ってみることにした。
考えてみたら,金沢出身の文人代表は何と言っても室生犀星であり,井上靖関連の資料は何処にも無かった。
それよりも何よりも旧制四高と言えば,ボート部の琵琶湖での遭難事故の方が有名であろう。
そらに言えば,漫画家の永井豪は輪島の出身であり,実兄が四高出身とのことで,四高生を描いた永井豪のイラストが有った。


金沢を舞台とした井上靖の「北の海」を読んだのは,高校3年の5月だったと記憶している(高校の図書館で借りた)。
天城湯ヶ島村の土蔵にて,血の繋がらない祖父の後妻と暮らすという特異な環境で育った洪作少年が,その義理の祖母の死と共に三島の親戚の元から沼津中学へ進み(静岡県内で一番難しいと言われた浜松中学は落ちたらしい),やがて高校受験に失敗し(旧制中学では3年次修了より受験資格があり,落ちると4年,5年と進級する),鬱屈とした日々を送っているときに,ある人物の勧めにより,四高の柔道部の練習を経験して・・・という内容だったと記憶している。
その「北の海」の前が,中学時代を描いた「夏草冬濤」であり,小学生時代を描いたのが「しろばんば」である。
一応私は,便宜上それらを自伝的作品三部作と呼んでいて,高校時代からの愛読書の1つとなっていた。
淡々とした描写の中に豊かな情感を盛り込んだ,この作家独特の世界観を味わうことが出来るので,今尚当時買って読んだ文庫本3冊(「北の海」は,学生時代に文庫化されたのを買って再読した)は,数十年を経て我が家の書架に有る。
今回の金沢行を前に,何度目かの再読をすべきだったが,前日までの激務もあって,それも果たせなかったのが実に残念であった・・・。
井上靖の自伝的作品は,この長編三部作の他,何作かの短編と「あすなろ物語」が存在するが,いずれも舞台は天城湯ヶ島であり,金沢を舞台とした作品は有るのかも知れないが,私は読んでいない・・・というか,人間の感情や恋愛の暗部を見据えたような現代作品には食指が動かなかったのが原因であろう・・・。
最近,専らの活字離れもあり,なかなか書に親しむところまではいっていないのもあるが,この自伝的作品三部作は,順を追って何度目かの再読をしてみたいものである・・・。


・・・ということで,なかなか進みません。
男1人の金沢の夜に何があったのか・・・本当にカレーを食しただけなのか・・・と思われる方は,こちら
http://www.nicotto.jp/blog/detail?user_id=430582&aid=55228131
をご覧いただければ,まともな時間帯に帰ったことが分かる筈です・・・(本当か?)

画像は,本家です。
    ↓
http://blog.goo.ne.jp/fw14b_2005/e/d46502c02e08b0fda346e383c9eac7a3

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2014/05/11 13:27
>月さん
・・・ですね。
でも煮込んであって美味でした。
翌日,駅ビルの上で食したやつより美味しかったかも・・・。
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2014/05/08 21:16
チャンカレって、超フツーのどこにでもあるカレーだったでしょwww




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